【ツアー報告】大洗の海鳥と涸沼の猛禽類(追加設定) 2020年2月16日

(写真:シノリガモ 撮影:林山直樹様)

平成27年にラムサール条約登録湿地となった茨城県の涸沼と海鳥たちが楽しめる大洗海岸をセットにした毎冬恒例の日帰りバスツアー。涸沼の主役であるオオワシがこの冬も飛来するなど、涸沼周辺の広大な畑地は猛禽類の宝庫であり、そこから僅かな場所にある大洗海岸はそれに負けることがない海鳥たちの宝庫です。このツアーではほかにもさまざまな環境を巡ることから数ある日帰りバスツアーの中でも毎回観察種数が多くバリエーションが豊かなことが特長です。ただこの日は前日とは全く異なった天気予報が出てしまい、終日雨とのことで心配な中での出発になってしまいました。

16日、この日は残念ながら集合時間の東京駅前は早くも小雨模様でした。それでもやや早くご集合いただいたことから予定よりも5分ほど早く出発することができました。移動中のバス車内では今日見られそうな鳥の解説をしながら進め、途中にあるサービスエリアで観察機材準備をしていただいてから再度出発し、まずは涸沼の西端にある干拓地から探鳥をスタートしました。この日もハクチョウの群れが見られたため、雨の中バスを降りて少々歩き観察しました。この日はオオハクチョウとコハクチョウが半々くらいの割合で昨日よりも個体数が多い印象でした。その後は干拓地内をバスにて走りながら鳥を探すと、この日も電柱にはハヤブサの姿があり、なんと2羽のハヤブサが並んで止まっていました。そのためバスを降りて望遠鏡で観察し、体に比較してアンバランスなほど大きい黄色い足を見ることができました。その後はミヤマガラスの群れに出会いましたが、雨が強まったためバス車内から観察し、その後はオオワシのポイントに向かいました。天候のせいかこの日は人影はほとんどなく、堤防に上がると雨だけでなく風も強かったことからひとまず観察は断念でして大洗海岸方向に向かうことにしました。ただ昼食までには少々時間があったことから涸沼北側の畑地に向かい、地上を歩きながら餌を探すタゲリの群れを観察してから一旦、昼食の時間にしました。雨雲レーダーを見ると午後からは雨が止むような予想だったことから期待しましたが、昼食後の出発時も小雨が降っていました。そのため岩礁での観察は諦め、まずは漁港に立ち寄ってみました。ここではこの冬を象徴するかのように間近にクロガモの姿があり、ほかにもスズガモ、ハジロカイツブリ、アカエリカイツブリ、ウミアイサ、ユリカモメ、カモメ、ウミネコの姿があり、この日はさらにシノリガモ、ヨシガモ、ハマシギもいましたが、残念ながらビロードキンクロの姿はありませんでした。ただ観察中に雨が止んだことから岩礁帯まで移動して探鳥を行うことにし、まずは波間で餌を探すシノリガモ、さらには岩礁で休んでいるシノリガモをじっくり観察することができ、観察中にはウミアイサのオスが餌を探しながら間近までやってきてくれました。その後は場所を変えてみることにし、この日もヒドリガモの群れに混じるアメリカヒドリのオスを見ることができました。その後は昨日、もう1羽のビロードキンクロが見られた漁港に行ってみることにしました。すると幸いにも間近に浮かんでいるビロードキンクロに出会うことができ、さらにお隣の漁港にももう1羽を確認することができ、その個体は飛翔して外洋に向かって飛んでいきました。ひとまず予定していた鳥たちに出会うことができ、さらには雨が止んでいたことから、最後は再びオオワシのポイントに行ってみることにしました。ただ雨、風は収まっていたものの視界が悪く、この日は結局、オオワシの姿を見ることはできませんでした。

今回は強めの雨に始まり、午前中は小雨が続く中での探鳥となりました。途中、雨が止む時間帯があったものの結局厳しい条件での観察となり残念でした。ただ涸沼ではハヤブサ、ミヤマガラス、タゲリなどが見られ、大洗海岸ではシノリガモ、ウミアイサ、ヨシガモ、クロガモ、そしてビロードキンクロ、アメイカヒドリにも出会うことができました。天候が悪くご苦労が多いツアーでしたが、ご参加いただきましてありがとうございました。

石田光史

ビロードキンクロ 撮影:林山直樹様

 

クロガモ 撮影:林山直樹様

 

ウミアイサ 撮影:林山直樹様

 

ヨシガモ 撮影:林山直樹様

 

ハヤブサ 撮影:林山直樹様

 

ヒメウ 撮影:林山直樹様

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