【ツアー報告】関東有名探鳥地巡り100種に会いたい! 2020年1月31日~2月2日

(写真:ビロードキンクロ 撮影:赤松博行様)

そもそもは関西方面のお客様から、日帰りツアーに参加するために1日だけ東京まで行くのはなかなか難しいとのご意見をいただき、それを機に始まった関東巡り。このツアーでは東京発日帰りバスツアーで好評をいただいている関東圏を代表する探鳥地を8カ所まとめ、東京を起点に群馬、栃木、茨城、千葉と3日間かけて関東を時計回りに探鳥しながら巡ります。ただ、単に探鳥するだけではおもしろくないだろうと思い、サブタイトルとして100種に会いたいとしました。ここまで過去には雪や大雨といった不運もありながら、なんとか100種観察を継続することができ、今回もなんとか100種と出会えるよう期待感が高まりました。おかげさまで今回は3日間を通して晴天とのことで、まずは天気の問題はなさそうでした。

31日、今回は遠方からのご参加のお客様が多いだろうとのことから集合時間は09:30。早朝から快晴の東京駅前をほぼ予定通り出発して、まずは東北自動車道を走り群馬県を目指しました。少々風が吹く中でしたがまずは多々良沼まで移動し、到着後は観察機材の準備をしていただいてから探鳥を開始しました。ここは風を避けるものがないことから風が強く、寒い中ではありましたがまずはオオハクチョウ、コハクチョウを観察。湖面にはマガモ、カルガモ、オナガガモ、ヒドリガモ、そして少数ではありましたがミコアイサ、ハジロカイツブリの姿もあり、芝生広場では今季よく見かけるツグミ、シメ、そして最後は間近にオオジュリンを観察することができ、中洲には2羽のイカルチドリも見ることができました。その後は隣接する駐車場で昼食の時間とし、その後は別のポイントに移動しました。そして当地で最近あまり見る機会がなかったトモエガモが3羽姿を見せてくれ、順光の中、オスの顏の模様までしっかり見ることができました。その後は渡良瀬遊水地に向かいましたが、途中の畑地ではノスリ、そしてここの名物ともなっているミヤマガラスを観察することができました。渡良瀬遊水地では強風の中、まずは公園内を歩き、期待していたベニマシコには出会えなかったものの、シメ、カワラヒワ、ツグミなどを見てから猛禽類の塒入りを観察しました。塒入りは強風時のほうがタカたちが飛び回るため見ごたえがあることが多く期待していましたが、この日は予想が当たり見事な光景が連続しました。ハイイロチュウヒは合計7羽が見られ、特にオス3羽の乱舞は見事で比較的早い時間帯に間近を飛翔してくれ、メスも我々の前をかすめるような飛翔を見せてくれました。結局この日の観察種数は48種となりました。

1日、昨夜は栃木県真岡市に宿泊し、この日は朝食後08:00に出発して15分ほど離れた場所にある公園に向かいました。幸い早朝から快晴で風もなく穏やかな朝でした。到着後は観察機材の準備をしていただき園内を歩きました。早速、シジュウカラ、ヤマガラ、メジロの混群がやってきて水を飲み、シロハラ、ビンズイがノコノコ歩きながら地上採食していました。針葉樹林ではキクイタダキの姿があり、エナガの群れもやってきてくれました。池ではここ数年その数を増しているヨシガモをじっくり観察していると、カワセミが飛び回ってくれました。その後は遊歩道に沿って歩いて行くと、ツグミの姿があり、観察しているとルリビタキのメスもやってきてくれました。さらに進むと、あまり当地では見かけないアカハラに出会い、せっせと種子を食べる2羽のアトリの姿もありました。その後はノコノコ歩き回る10羽ほどのビンズイやシジュウカラ、ヒガラ、シロハラ、コゲラ、エナガなどを観察し、概ねリスト通りの出現種がありましたが、さらにいくつか加えるためにとある場所まで行くと予想通りトラツグミが地上採食していたことから、しばらくの間観察することができました。そして最後はここまで見ることができなかった青いルリビタキが間近に登場して楽しませてくれ、ここでの探鳥を終了しました。ここからは北関東道から常磐道に入り、途中にあるパーキングエリアにて昼食の時間としてからさらに進み、この日最後の探鳥地である茨城県までやってきました。まずはヒシクイが毎年越冬している干拓に向かいましたが、なんと到着の30分ほど前にヒシクイたちが飛んで行ってしまったとのことで出会うことができませんでした。仕方なくシギ類を探して別のポイントまで行くと、幸いにもタゲリ、タシギ、ツルシギ、セイタカシギ、イソシギに出会うことができ、その後も周囲の水田を渡り歩いてなんとかタカブシギ、クサシギを追加することができ、運次第と思って探してみたホシムクドリにも出会うことができラッキーな出会いが加わりました。そしてこの日も最後は浮島湿原まで移動して猛禽類の塒入りを観察し、チュウヒ、ハイイロチュウヒのメスに加え、かなり薄暗くなったころにハイイロチュウヒのオスもその姿を見せてくれました。結局この日は新たに28種が加わり2日間の観察種は76種となりました。

2日、この日も幸いなことに早朝から快晴の中、08:00に出発してまずは茨城県神栖市に向かいました。ここではカルガモ、オナガガモ、コガモ、ヒドリガモなどの中から、ここまで観察できていなかったキンクロハジロを観察してから茨城県波崎漁港に向かいました。波崎港内ではまずクロガモ、スズガモ、アカエリカイツブリ、さらにはテトラポットに止まるウミウ、ヒメウが加わり、この冬に多く見られているクロガモが間近に浮いていたため撮影の時間をとりました。その後は河口部に移動しウミアイサ、間近に浮かぶハジロカイツブリを見てから堤防上に並ぶユリカモメ、カモメ、ウミネコ、セグロカモメ、オオセグロカモメを観察してから利根川を渡って千葉県銚子漁港に移動しました。ただ残念ながら堤防上にはほとんどカモメ類が群れておらず、そのためまずはカモ類などを探すことにしました。すると幸いにも間近に浮かぶシノリガモのオスが見られたほか、ミミカイツブリ、ビロードキンクロを見ることができました。ただどうにも観察種が少ないことから再び銚子漁港に戻って比較的カモメ類が群れている堤防上を見てみることにしました。やや距離はあったもののまずはミツユビカモメが3羽見つかり、成鳥ではなかったもののシロカモメ、ワシカモメを見ることができました。観察後に駐車場に戻るとイソヒヨドリのオスの姿もあり、ここまで合計95種でひとまず昼食の時間としました。昼食後は2時間ほどの移動をし、このツアー最後の探鳥地にやってきました。15:30ではありましたが幸い寒さはなく早速干潟に行ってみることにしました。人がある程度いたことからシギ類は分散していましたが、定番種のハマシギ、ミユビシギ、シロチドリ、ミヤコドリ、ダイゼンの5種が見られたことから100種を達成することができ、ほかにもズグロカモメ、さらにはどこからともなく飛んできたダイシャクシギも加わってくれました。そして最後は堤防まで歩き、オオバンに混じって餌を探す美しいオスのビロードキンクロを見てツアーを締めくくり、この日は新たに26種を加え3日間の総観察種数は102種となりました。

さて、まずは3日間を通しての晴天が何より幸いしたツアーでした。この冬は淡水域の越冬シギが少なく、ほかにもいくつかの不運があって思った以上に観察種が伸びない状況でしたが、それでも最終的には102種を観察することができ目標を達成することができました。今回は初日が強風だったこともあり、夕方には見事なハイイロチュウヒの乱舞が見られ、今回のツアーのハイライトと言っても良い強烈な印象を残してくれました。今後も関西方面のお客様にももっと関東圏の探鳥地をお楽しみいただければと思いましたし、皆様からのリクエストが多いシングル部屋を利用したツアーを増やしていきたいとも思いました。この度はご参加いただきましてありがとうございました。またの機会にご一緒できましたら幸いです。

石田光史

ズグロカモメ 撮影:千石禎子様

 

ハイイロチュウヒ 撮影:高木信様

 

アカエリカイツブリ 撮影:赤松博行様

 

ダイシャクシギ 撮影:千石禎子様

 

ホシムクドリ 撮影:高木信様

 

ミコアイサ 撮影:赤松博行様

 

ビロードキンクロ 撮影:千石禎子様

 

シノリガモ 撮影:高木信様

 

アオジ 撮影:赤松博行様

 

ハイイロチュウヒ 撮影:千石禎子様

 

ルリビタキ 撮影:高木信様

 

トモエガモ 撮影:赤松博行様

 

トラツグミ 撮影:高木信様

 

ズグロカモメ 撮影:赤松博行様

 

カワセミ 撮影:高木信様

 

シノリガモ 撮影:赤松博行様

 

コゲラ 撮影:高木信様

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