【ツアー報告】渡良瀬遊水地と城沼・多々良沼(再追加設定) 2015年12月18日

毎回観察種が多い冬の定番日帰りバスツアーです。以前は目玉としてベニマシコ、チュウヒ、ハイイロチュウヒを謳っていましたが、付近にある畑地でミヤマガラス、コクマルガラスが観察できることからバスをマイクロバスに変更したところ、昨年はオオモズ、トラフズクも飛来してくれて、マイクロバス効果が大いに発揮できました。今年もオオモズが飛来しているとのことで期待しての出発となりました。天候は晴れマーク一色で夕方まで探鳥が楽しめそうです。

 18日、予定通りに東京駅前を08:00に出発してまずは多々良沼を目指しました。この場所は東京駅から休憩を挟んでも2時間弱ととても近い探鳥地です。ただこの時間帯は強風が吹いていたため短時間の探鳥に留め、ミコアイサ、ハジロカイツブリ、カンムリカイツブリ、群れで飛びまわるオナガガモなどを観察したのみでした。次に訪れた城沼では草地にジョウビタキ、カシラダカ、アオジ、カワラヒワの姿があり、湖面には数は少なかったですがホシハジロ、コガモなどの姿があり、カワセミ、モズ、そして20羽ほどの群れで採食行動をするミコアイサの群れが盛り上げてくれました。そしてこの後は渡良瀬遊水地に向いましたが、ちょっと寄り道をしながら畑地を走ることにしました。走り出してすぐのところで早速、乱舞するミヤマガラスの群れを見つけることができました。バスを降りて観察していると群れが電線に止ってくれたことから、尖った嘴、盛りあがった額といった特徴をじっくり観察することができました。その後は電線に止まっているコチョウゲンボウのメスを見つけることができ、こちらも望遠鏡を使ってじっくり観察することができました。その後は再びミヤマガラスの群れを見つけたためバスを降りて観察していると、その中に白黒の姿が特徴的な2羽のコクマルガラスの成鳥が混じっていて、木に止ってくれたため望遠鏡を使って観察することができました。その後も少々寄り道をしながら進めたため渡良瀬遊水地に到着したのは13:00過ぎで、ここで各自昼食としました。昼食を食べながらも飛翔するトビ、ノスリ、チュウヒ、地上で餌を探すツグミなどの姿がありました。そして出発直前にはベニマシコのメスが現れてせっせと種子をついばみはじめたため観察していると、真っ赤なオス個体も登場して2羽で仲良く種子をついばみ始めたためちょっとした撮影会状態になりました。その後はオオモズが観察された場所に向いましたが、このルートは特に狭い車幅ポールが立っているため、通過するごとにドライバーさんに拍手が起きるような状況でした。現地に到着すると人の群れはなく、今年はその出現頻度が極めて低いことをうかがい知ることができました。結局1時間近くまっていましたが、主役の登場はなく飛翔するチュウヒ、ノスリ、魚を捕るカワセミを見て過ごしましたが、ようやく15:00過ぎに高木のてっぺんに止るオオモズの姿を見つけることができ、観察を開始することになりました。灰色と黒のツートンカラーが美しく、まるで猛禽類であるかのようにじっと止まっていました。思った以上に観察が長時間になってしまいましたが時間がきたことから一旦トイレ休憩を挟んで15:50頃に猛禽類の塒入りポイントに移動しましたが、驚いたことにすでにハイイロチュウヒのオスが飛翔していました。一旦アシ原内に消えましたがその後、何度かその姿を見せてくれ、最後は我々の間近を悠々と飛翔してくれました。またハイイロチュウヒのメス、チュウヒも数個体その姿を見せてくれ、無風ながら見応えのある塒入りを観察して薄暗くなった渡良瀬遊水地を後にしました。

今年の冬を象徴するようにカモ類が少なく、バリエーションに乏しかったのは残念でしたが、目玉であったハイイロチュウヒはオス、メス共にその姿を見ることができ、特にオスはじっくりとその姿を見せてくれました。またチュウヒは複数個体を見ることができ、コチョウゲンボウ、美しいベニマシコのオス、ミヤマガラス、コクマルガラス成鳥、そして今年も渡来したオオモズとの出会いもありました。思った以上に穏やかな日でした。皆様お疲れ様でした。

石田光史

 

関連記事

ページ上部へ戻る