【ツアー報告】冬の琵琶湖で一日60種観察にトライ 2020年1月18日
(写真:タゲリ 撮影:草野敏明様)
毎年たった1回だけではありますが、それでも毎回ご好評をいただいている大阪発日帰りバスツアー、冬の琵琶湖。過去、天候不順で大雪になってしまったり、そもそも積雪が多かったりと、当日の状況が心配なツアーではありますが、それでも毎回ほぼ目標の60種観察を達成できています。この冬はどこも積雪が少なく暖かい傾向があるため、この日も天気予報も概ね良く、最高気温も10℃とのことでした。
18日、穏やかで青空が広がる大阪駅前を予定よりもやや早く出発して琵琶湖に向かいました。途中のバス車内ではこの日に見られる可能性がある種の中から、特に目立った種に関して識別ポイントなどの解説を行いました。草津サービスエリアで休憩をとった後は長浜まで走り、ここからは琵琶湖の湖畔を走りながら水鳥センターを目指しましたが、この辺りからは少々風が吹いてきました。水鳥センター到着後は各自観察機材の準備をしていただいてから、まずは冬の琵琶湖の名物になっているオオワシを探しました。幸いこの日は枯れた松の木に止まっていたことから容易に見つけることができ、望遠鏡を使って観察することができました。その後は一旦湖畔まで移動して水鳥類を観察しました。生憎強風になってしまい寒さが厳しくなってしまいましたが、間近にヒシクイが群れ、その中に3羽のマガンの姿がありました。カモ類は風を避けるように堤防下に集まっていたため少々歩いて近づいて見ました。堤防にはアオサギが群れ、その中にたった1羽、クロサギの姿がり、堤防上にはカルガモ、コガモの群れ、堤防下の湖面にはヒドリガモ、カワアイサ、オカヨシガモなどが群れ、よく見るとわずかながらスズガモ、ヨシガモ、ミコアイサの姿もありました。その後は一旦バスまで戻って各自昼食とし、その間にも飛翔するオオワシの姿が見られました。午後からは一旦、西池まで移動してオナガガモ、マガモ、コガモの群れに混じるアメリカヒドリ、また複数のトモエガモが見られ、最後は間近にヨシガモのオスとメスを観察することができ、その特徴をしっかりと観察することができました。ただ強風のためかなかなか小鳥類が観察できていないことから、この後は林のある場所ということで姉川河口に行ってみました。畑ではハクセキレイとセグロセキレイが餌を探して歩き回り、河口では強風の中でしたがウミアイサが飛び、ハジロカイツブリの群れ、カンムリカイツブリの姿があり、小鳥を追ってかハイタカがヒラヒラと舞っていました。林まで戻るとシジュウカラ、コゲラの姿がり、どこからともなく飛んできたアトリ、カワラヒワの混群がニレの木に止まってくれたため望遠鏡でじっくり観察することができました。その後は強風のため難しいとは思いましたがビオトープ周辺を歩いてヨシ原の小鳥を探してみることにしました。まずは強風をうまく利用してチュウヒが飛び回り、枯れ木にはモズの姿がありました。ただやはり小鳥類の気配は薄く畑地にはツグミの姿があったのみでした。さらに歩くとようやくタゲリの群れに出会うことができ、一斉に飛翔する様子は見事でした。また遠くの木にはノスリが止まっていて、細長く見えるトビとは違いずんぐりとした体形であることがよくわかりました。見る見る陽が傾いてきていましたが、最後は水鳥センター付近の畑地を歩いてみました。夕方ということもあり塒入り前のスズメが大きな群れで飛び回り、電線にズラリと並んだ姿を見てこの日の探鳥を終了しました。
穏やかな1日を予想しての出発でしたが、琵琶湖畔は強風となり、予想外に寒い中での探鳥でした。冬の琵琶湖の名物となっているオオワシをはじめ、ヒシクイ、マガン、ヨシガモ、トモエガモ、アメリカヒドリ、カワアイサ、ウミアイサ、ミコアイサといった水鳥たちは安定感があり、ほかにもクロサギ、タゲリ、チュウヒ、ハイタカ、アトリなどに出会うことができました。私の計算では60種に満たない状況でしたが、最終的な集計ではキジ、ジョウビタキ、セグロカモメ、アオジなどが加わり、終わってみればちょうど60種観察で終えることができました。強風が吹き荒れる寒い中での探鳥、お疲れ様でした。
石田光史