【ツアー報告】鳥の観察会5周年記念 渡良瀬遊水地と城沼・多々良沼 2020年1月4日
(写真:ミコアイサ 撮影:林山直樹様)
鳥の観察会が5周年を迎えたことを記念して、また新年のご挨拶を兼ねて毎年年初めの最初の週末に企画している日帰りバスツアー。2020年は渡良瀬遊水地と城沼・多々良沼を企画しました。ただ昨秋の台風の影響を受けて現地の環境が激変してしまい、どうなることかと心配な状況が続いていました。そのためまず2019年の11月から現地の状況を調べ、結果的には2019年11月26日に現地調査を行い、最終的に問題ないと判断してツアー催行決定としました。通常はマイクロバスを使って16名様限定でのツアーを企画していましたが、今回は新年のご挨拶を兼ねてということで40名のお客様と一緒に現地に向かいました。
4日、早朝から快晴の東京駅前を予定よりもやや早めに出発して東北道を北に向かいました。バス車内ではこの日の予定や見られる可能性のある鳥たちの解説をしながら進み、途中にあるサービスエリアで休憩をとってから、まずは多々良沼に向かいました。見事な青空が広がってはいましたが、現地特有の風が強めに吹き肌寒い中での探鳥スタートになりました。多々良沼の湖面が波立つ状況でしたがミコアイサのオスが何羽も見られ、中にはかなり近くに浮上する個体もいました。また3羽のヨシガモのオスは順光で見ると頭の緑色が輝いて見え見事でした。ほかにもヒドリガモ、カルガモ、マガモ、カンムリカイツブリ、セグロカモメなどが見られ、公園側を歩くとシメの姿があり、ほかにもホオジロ、カシラダカ、そしてベニマシコ、ビンズイの姿を見られた方もいらっしゃいました。その後は30分ほど移動して城沼に移動し、ここでも湖面を見てみました。ここではオナガガモ、マガモ、ホシハジロの姿があり、数こそ少なかったですがコガモの姿もありました。やや歩くとホシハジロが多くいる場所があり、どこから飛んできたのかカワセミがハスに止まってくれました。お昼が過ぎたことからこの後はいずみの公園まで移動して各自昼食の時間としました。ここでも池にいるコガモ、ハシビロガモ、ヒドリガモが見られ、カモ類を狙ってやってきたオオタカを見られた方もいらっしゃいました。その後は車窓からミヤマガラスの姿を見ながら渡良瀬遊水地に移動し、まずは遊水地内の公園を歩いて探鳥しました。強風は収まってきていたため意外に暖かい中での探鳥となり、ヨシ原を見てみると数多くのカシラダカの姿があり、飛び立っては枯れ木に止まってじっくりとその姿を見せてくれる個体もいました。またベニマシコの声が聞こえたため見ているとうまい具合に枯れ木に止まってくれたのですが、わずかな時間で去ってしまいました。またシジュウカラとエナガの混群がやってきてくれ、珍しくエナガがしっかりとその姿を見せてくれました。その後は一旦トイレ休憩を挟んでこのツアーのメインイベントである猛禽類の塒入り探鳥を行いました。塒入り探鳥は強風時にはタカが乱舞し、無風時はあっさりと塒に入ってしまう傾向がありその時の状況が重要なのですが、この日は無風だったため防寒服もそれほど必要がない状況でした。見る見る陽が傾いてくる中、まずはチュウヒが飛んできて枯れ木に止まり、遠くの木にはコチョウゲンボウのオスが止まって羽繕いをしていて望遠鏡でじっくりと観察することができました。するとまずはハイイロチュウヒのメスがやってきてヨシ原上をスイスイ飛んでから塒となる場所に降り、その後は複数のチュウヒの塒入りが見られる中、ようやくハイイロチュウヒのオスが飛んできてくれました。ただ無風時特有の塒入りとなり、やや旋回飛翔してくれたもののわずかな時間で塒となる場所に降りてしまい、じっくりとその姿を見ることができずやや残念でした。
おかげさまで6年目に突入した鳥の観察会。2020年のスタートはミコアイサ、ヨシガモ、カワセミ、シメ、カシラダカ、ベニマシコ、オオタカ、ノスリ、チュウヒ、ハイイロチュウヒ、コチョウゲンボウなど51種の野鳥たちとの出会いから始まりました。今年も数多くのツアーをご用意してお待ちしておりますので、引き続きご贔屓のほどよろしくお願いいたします。
石田光史