【ツアー報告】新潟水鳥越冬地巡り 20015年12月12日~12月13日

(写真:ヒシクイ 撮影:須崎明男様)

数多くの水鳥たちが越冬する新潟県内の探鳥地を巡る冬恒例のツアーです。主役はガン類と猛禽類で太平洋側とは異なり大型のヒシクイが圧倒的多数です。またここ数年、朝日池にはハクガンの群れが定期的に飛来することが知られるようになり注目度が増しました。ただ、ハクガンたちは八郎潟と朝日池を行ったり来たりしているようで、出会うにはタイミングが合うかどうかがカギになります。今回は事前の天気予報が両日共に雨ということで雨装備を整えていましたが、前日になって天気予報が良い方向に変わってくれました。前日の金曜日はかなり大荒れだったとのことでラッキーな日程で出かけることができました・

 12日、予定通り燕三条駅で現地集合のお客様と合流して、まずは佐潟に向いました。今年は身近な環境ではカモ類が少ない印象を受けていたので心配していましたが、湖面には数多くのカモ類の姿がありました。特に多かったのがコガモで遠くにいた群れの中にトモエガモのオスの姿がありました。ほかにもマガモ、ホシハジロ、カンムリカイツブリ、ハジロカイツブリなどの姿があり20羽ほどの群れで潜水採食しながら右往左往するミコアイサの群れも見事でした。そして時より現れるチュウヒに驚いて群れ舞うコガモの姿は当地の名物ともいえる光景で、しっかり見ることができました。

その後は一気に走って朝日池に向いました。天気は良い方向に向かっているようで傾いた陽光が射していました。到着すると溜池にはミコアイサの群れが見られ、田んぼには多くのコハクチョウの姿がありました。朝日池が一望できる場所でバスを降り、早速観察を始めましたが思ったほどガン類の姿はなく、ちょっと寂しい感じがしました。ただ、丹念に望遠鏡で見てみるとマガモ、コガモ、ハシビロガモ、カンムリカイツブリ、カワアイサ、ミコアイサなどさまざまなカモ類が見られ、間近にヒシクイの姿を見ることもできました。思った以上に天気が良かったことから日没後の17:00まで観察を続けることにしましたが、幸運にもちょうど17:00に帯状に連なるように飛翔するマガン、ヒシクイの大群が朝日池めがけて飛んでくる様子が見られ、最後は我々の上空を旋回して空いっぱいに広がり、思わず歓声が上がる状況になりました。

 13日、05:45にホテルを出て再び朝日池に向いました。星は出ていませんでしたが空が明るくなってくるとそれほど天気が悪くはないことがわかりました。ガンたちは一斉にというわけではありませんでしたが数十羽単位で次々に湖面を飛び立ち餌場へと向かっていき、時にはすぐに戻ってくる群れもいました。またカモ類を狙って」やってきたハヤブサが飛び交っていました。朝食のために一旦ホテルに戻りましたが、少々時間があったことから再び朝日池に立ち寄りましたが、この時には1羽のツクシガモが現れ、去り際にはオジロワシも現れて対岸の木に止ってくれました。

その後の福島潟では小雨が降りましたが観察に影響はなく、飛翔するタゲリの群れ、枯れ木に止るノスリ、アシ原上を飛翔するチュウヒ、電線に群れるムクドリの群れを観察し、湖面に散らばるコガモの大群の中からヨシガモ、カンムリカイツブリ、ハジロカイツブリなども見ることができました。そして帰りがけには渡ってきたばかりなのか、小群で飛び回るツグミ、草むらから飛び立ち低木に止るカシラダカの群れ、そしてシメといった冬鳥の姿もありました。そして最後の探鳥地である瓢湖に向かう途中では、ちょっと寄り道をして畑地で採食中のヒシクイとマガンを観察することができ、色や大きさの違いを観察することができました。瓢湖ではちょうど餌の時間で、ホシハジロ、キンクロハジロ、ヒドリガモ、ハシビロガモなどが餌に群がり、目が回るようなカモ類の採食行動を観察することができました。またそれらのカモ類を狙っているオオタカ、そして今年話題になっているハイブリッドガモを2個体観察することができました。

過去、積雪のイメージが強いツアーですが、今年は思いのほか穏やかな2日間でした。期待していたハクガンの群れの飛来のタイミングは逸してしまいましたが、北陸の湖沼のイメージ通りにヒシクイを間近に観察することができ、ツクシガモ、オジロワシ、チュウヒ、トモエガモ、ミコアイサ、ヨシガモなども見られました。来季は雪の中で訪れたいと思いました。皆様お疲れさまでした。

石田光史

ヒシクイ 撮影:須崎明男様

ヒシクイ 撮影:須崎明男様

 

ツクシガモ 撮影:高木信様

ツクシガモ 撮影:高木信様

 

朝日池とヒシクイ 撮影:高木信様

朝日池とヒシクイ 撮影:高木信様

 

朝日池の夕景とヒシクイ 撮影:佐藤幹夫様

朝日池の夕景とヒシクイ 撮影:佐藤幹夫様

 

オオハクチョウ 撮影:佐藤幹夫様

オオハクチョウ 撮影:佐藤幹夫様

 

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