【ツアー報告】トウゾクカモメのピーク!晩秋の大洗~苫小牧航路 2019年11月22日~24日
(写真:トウゾクカモメ 撮影:宅間保隆様)
長らくツアーを企画してきた大洗~苫小牧航路。私にとってはもう30年近く乗船させていただいている商船三井フェリーさんふらわあ深夜便を使用して海鳥を集中的に観察します。金曜日の夜にご集合いただき日曜日の夜に解散することから週末の時間をうまく利用して楽しめるのがこのツアーの特長で、疲れたらいつでも部屋で休める、いつでもお風呂に入れるといったほかのツアーにはない特長もあります。また我々のツアーではトラベルイヤホンを使用して観察することから、出現した海鳥の種名や特徴、位置、距離感などをデッキにいる全員で情報共有しながら探鳥するという画期的なシステムを使用しています。この11月は時期的には中途半端ですが、南下してくるトウゾクカモメが一年で最も多く見られる時期で、ほかにもミツユビカモメの大群やコアホウドリ、クロアシアホウドリ、フルマカモメ、そしてアホウドリとの遭遇率も高い時期です。このツアーで初雪を見ることが多いのですが、今回は季節外れの台風の影響で暖かい航路になるとのことでした。ただ帰りは波が高くなるとの予報が出ていたためやや心配な出航となりました。
*諸般の事情から詳しい出現状況をウェブサイトでは公開しておりません。
今回は行の便は11月としては暖かく穏やかな航路でしたが、帰りの便の午後からは小雨の中での観察となり、夕方からはかなり激しいうねりの中を航行したことから気分が悪くなってしまったお客様もいらっしゃったようですが、定刻に大洗港に到着することができ幸いでした。ここ数年、この大洗苫小牧航路は過去に経験したことがないほど、海鳥の出現状況が芳しくなく、さまざま考え直さないといけない時期になったのかと心配していました。ただ今回は出現にムラがあったこと、またミツユビカモメの出現数が極めて少なかった点は気になったものの、主役のトウゾクカモメはかなりの個体数が見られ、コアホウドリ、クロアシアホウドリ、フルマカモメ、ハシボソミズナギドリ、またクロガモ、ビロードキンクロ、ウミアイサ、そしてハジロミズナギドリに出会う幸運もあり、まずまずの内容で終えることができました。ひとまずこの11月は継続企画していく予定です。今後もトラベルイヤホンを使用してデッキで観察している全員で海鳥の出現状況を共有しながら探鳥可能な海鳥観察ツアーを提供いたします。この度はご参加いただきましてありがとうございました。
石田光史