【ツアー報告】越冬シギチドリ巡り 東京湾と霞ケ浦 2019年11月12日

(写真:ヘラサギ 撮影:箕輪篤子様)

シギチドリ類の渡りは秋が中心ではありますが、ここ数年は越冬する個体が増えたことからこの11月にもツアーを企画しました。この時期は海水域ではミヤコドリの数が増し、淡水域では独特の表情で人気のタゲリのほか、越冬シギの代表種であるオオハシシギをはじめ、エリマキシギ、アカアシシギ、コアオアシシギ、オジロトウネン、タシギなどが越冬している時期です。この日は幸いにも前日までの雨は上がり、早朝から快晴ながらもやや風の強い状況で北風が吹き寒い1日になるとの予報が出ていました。

12日、快晴の東京駅前を予定通り出発して、まずはいつものようにバス車内で簡単ながらもシギチドリ類の識別について解説を行い、まずは海水域での観察を行いました。到着後は観察機材準備、また長靴など準備していただいてから干潟に向かいました。快晴の中、干潟から全体を見渡すと雪を被った見事な富士山を見ることができ、まずはカモ類を観察するため移動しました。まずは驚くほどのオオバンの群れが目につき、遠くにはズズガモ、ヒドリガモ、オナガガモ、そしてカンムリカイツブリ、ハジロカイツブリ、干潟状になっている場所では3羽のハマシギが餌を探していました。干潟に移動すると強風が吹く中でしたが、浅瀬にはウミネコ、ユリカモメ、セグロカモメ、そして1羽のアジサシの姿があり、干潟を歩きながら餌を探すハマシギ、ミユビシギ、シロチドリ、ダイゼンの姿がありました。さらに進むと、オオソリハシシギ、そして距離はあったもののオバシギの姿があり、名物となっているミヤコドリの大群が見事でした。その後はバスに戻って出発し、途中サービスエリアで各自昼食としました。その後は茨城県南部の水田まで移動し、最初のポイントでは1羽のタゲリ、飛び立つタシギの群れが見られ、次のポイントではクサシギが1羽見られましたが、全体にシギチドリ類の姿が少なく残念でした。ただ次のポイントでは本州では珍しいヘラサギの姿があり、少しずつ近づいて観察しました。これといって警戒する様子もなく、嘴を左右に振りながら採食する独特の行動が見られ意外な出会いに盛り上がりました。ここではほかにもセイタカシギ、ツルシギ、コアオアシシギ、タカブシギ、クサシギ、タシギが一気に見られ、電柱ではシギ類を狙っているのか、オオタカ幼鳥がじっと止まっていました。夕暮れの中、次のポイントでは4羽のムナグロ、タヒバリ、ツグミが見られ、その後は少々時間があったため畑地をめぐると30羽ほどのタゲリの群れに出会うことができ、最後は群れで飛翔したため美しい飛翔形を見ることができ、電線には数羽のムクドリに混じる1羽のホシムクドリの姿もありました。そして最後は猛禽類の塒入りを観察することにし、チュウヒ、オオタカ、ハイイロチュウヒ、また美しいコチョウゲンボウのオスが枯れ木に止まってくれ、最後は灰色みが強いチュウヒも枯れ木に止まってくれました。この日は北風が心配されましたが結果的にはそれほど寒くはならず、夕陽が沈んだ後は見事な月が顏を出してくれました。

シギチドリ類の観察は主に春と秋の渡りの時期ですが、日本で越冬するシギチドリ類も多く、そのため秋の渡り期が終わったこの時期にツアーを企画しました。海水域ではシロチドリ、ダイゼン、ミヤコドリ、ハマシギ、ミユビシギ、オオソリハシシギ、オバシギといった比較的基本的な種が見られ、淡水域ではやや少ないながらもムナグロ、タカブシギ、クサシギ、コアオアシシギ、ツルシギ、セイタカシギ、そして冬鳥として渡ってくるタゲリの群れが見られました。またどこからかやってきたヘラサギが楽しませてくれ、夕方は猛禽類を見に行くことにし、まずはホシムクドリ、そしてチュウヒ、ハイイロチュウヒ、オオタカ、ハヤブサ、コチョゲンボウに出会うことができ、特にオスのコチョウゲンボウの美しい姿が印象的でした。この度はご参加いただきましてありがとうございました。

石田光史

ヘラサギとツルシギ 撮影:鵜飼要三様

 

チュウヒ 撮影:箕輪篤子様

 

ヘラサギ 撮影:鵜飼要三様

 

ミヤコドリ 撮影:箕輪篤子様

 

ツルシギ 撮影:箕輪篤子様

 

チュウヒ 撮影:箕輪篤子様

 

ダイサギとヘラサギ 撮影:箕輪篤子様

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