【ツアー報告】冬の那須 羽田沼と千本松 2016年1月21日

(写真:クビワキンクロ)

冬の定番であるカモ類観察と冬の小鳥類観察をバランス良くミックスした初心者のお客様にもお楽しみいただける恒例の冬の那須ツアー。ただ、今回訪れる湖沼にはここ数年、クビワキンクロが渡来し、昨年はアカハシハジロの姿も見られたため楽しみが増えました。そして今回は前日に降った雪が残っていたため、平地でも真っ白に雪化粧している場所が目立ちました。かなり寒くなりそうでしたが天気予報は晴れでした。

 21日、予定よりも10分ほど早く東京駅前を出発して那須を目指すことになりました。今回は探鳥地がやや遠いため途中休憩を挟んで2時間半ほどかかりました。到着後はそれぞれ観察機材の準備をしていただき湖畔からカモ類を観察しました。寒かったせいか湖面の一部が凍り、その上をカルガモ、マガモが歩いていました。ここはコハクチョウが越冬することで知られていますが、ちょうどどこかに出払っているようでその姿はありませんでした。間近に浮いているカモ類はほとんどマガモ、カルガモ、オナガガモでやや距離を置いてキンクロハジロ、ホシハジロ、そしてコガモ、オカヨシガモの姿もありました。そのため池の奥側を望遠鏡で見てみると、意外なほど数多くのヨシガモの姿があり、光線が良かったことからその美しい姿をじっくり見ることができました。また時には望遠鏡の視界に同時に数羽のヨシガモのオスを捉えることもあり、その美しい姿がより引き立って見えました。さらにコガモの群れをじっくりと観察していると、その中にトモエガモのオスの姿もあり、小型なカモ類ながらもさらに個性的なその姿をじっくり観察することができました。また周囲の林に目をやるとカモ類を狙ってやってきたと思われるオオタカ成鳥の姿がありました。しばらくじっとしていましたがふいに飛び立つとカモ類が一斉に警戒声を出しましたが、飛びかかってくるオオタカの姿に驚いたカモ類が一斉に飛び立ち、その中の1羽が狙われましたがギリギリのところでうまくかわして逃げ切る様子を見ることもできました。1時間半ほど観察した後は那須に移動して一旦昼食の時間とし、その後は公園内を歩いて探鳥しました。駐車場周辺でもシメ、ツグミの姿があり、林に入ると十数羽の群で行動しているビンズイの姿がありました。また道路上を歩くハクセキレイ、セグロセキレイが道案内するように歩き回り、林の中の小道では地上に降りては餌を探すジョウビタキのメスが見られました。その後はビンズイが各所で見られ、ある場所ではシメが群れで地上採食していました。そして最後はノスリが上空を舞い、数羽のカケスが飛び回ってくれたため、美しいその姿を珍しくしっかりと見ることができました。そしてこの日最後は千本松牧場内の林を歩きました。林に入る前にはキジのオスが見られ、林の中ではシロハラ、そしてアトリの群れが見られました。その後はエナガの群れが間近にその姿を見せてくれ、キクイタダキの小群がマツの木にやってきてくれたことから思いのほかその姿をしっかり観察できました。牧草地内ではツグミとアトリの群れが飛び回り、木の実に群れているようでした。そしてようやくベニマシコの姿を見つけることができ、僅かな時間ながら赤いオスの姿もありました。また枯れ木をつついて餌を探すアカゲラの姿も見られました。その後はヤマガラ、ヒガラ、シジュウカラ、コゲラといった顔ぶれの混群を観察しながら歩き、最後の牧草地では地上で餌を探すシメの群れ、枯れ木に止るカシラダカ、そして再びベニマシコを見つけることができ、じっくりと観察することができましたが、赤くはないメス個体で2羽がじっとしていました。そして最後は畑地で地上採餌するツグミとアトリの群れを観察して終了しました。

冬の那須は寒い探鳥地ではありますが、今回のようにしっかりと雪が積もっていたことはなくやや驚かされた1日でした。カモ類は非常に珍しいクビワキンクロに今年も出会うことができ、ヨシガモ、トモエガモ、オカヨシガモなども見られ、カモ類を狙うオオタカの姿も観察することができました。那須ではツグミ、カシラダカ、シメ、アトリなどさまざまな冬鳥に出会い、ベニマシコ、アカゲラ、キクイタダキ、シロハラなどの姿もあり、冬の定番種とちょっとお得な出会いもあった1日でした。みなさまお疲れ様でした。

石田光史

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