【ツアー報告】キクイタダキに会いたい!富士山五合目 2019年8月7日

(写真:キクイタダキ 撮影:小松崎興太郎様)

盛夏の頃になり国内でのバードウォッチングには不向きな季節。猛暑もあってなかなか行く場所が見つからないためツアーも一休みになりますが、それでも一部の限定された場所ではなんとかバードウォッチングが可能なためわずかながらツアー企画しています。そんな中でも毎年恒例になっているのがこの富士山五合目です。とにかく涼しい場所に行き、歩くことなく、のんびりと過ごそうといったコンセプトで、標高約2400ⅿの涼しい富士山五合目で水場にやってくる小鳥たちをのんびり観察、撮影します。今年もおかげさまで7月に続き2回目の催行となりました。

7日、なんといってもお天気が重要なのですが、今年は梅雨明けが遅れたこともあり幸いにも好天が続き、台風が複数発生しているものの当日はまだまだその影響なく出発することができました。移動中はやや時間があることからバス車内では少ないながらもこの日に観察できる可能性が高い種についての解説を行い、まずは談合坂サービスエリアに到着しました。ここでは暑さ対策としてドライミストが設置されるほどの状況でした。道路はやや混んでいましたがバスは順調に進み、河口湖インターから富士スバルラインへ向かいました。スバルラインを進むと次第に風景から涼しさを感じられるようになり、到着した富士山五合目は青空が広がっているものの心地よい風が吹き、下界の暑さがウソのようでした。周囲からはルリビタキやヒガラの声が響く中、小道を下って行くとハクサンシャクナゲの花の周囲で餌を探すメボソムシクイを間近にじっくりと見ることができました。現地到着後は各自観察機材の準備にとりかかりましたが、すでに水場にはヒガラがやってきていました。毎回、出会うのに苦労するキクイタダキですが、この日は11:00を過ぎた頃からオスが何度もやってきてくれ、オスの特徴である頭部の赤い模様もしっかりと見ることができました。その後は一時的に鳥たちの動きが止まってしまいましたが、ルリビタキのメスが何度かやってきてくれ、ようやくウソのペアもやってきて比較的ゆっくりと水浴びをしてくれました。そして12:30頃には今度はキクイタダキのメスがやってきてくれ、その後はここまで姿を見せなかったコガラ、そしてヒガラは黄色っぽい幼鳥も登場して、コガラとヒガラが一緒に水浴びをするシーンも見られました。そして13:00頃にはようやく青いルリビタキが登場してその美しい姿をじっくり見せてくれたかと思うと、メス、オスの亜成鳥、そして鱗模様が特徴的な幼鳥もやってきて、一時的に周囲はルリビタキだらけになりました。またあまり水場にやってこないメボソムシクイも何度かやってきてくれ、普段なかなかじっくり見る機会がないムシクイ類をじっくり観察できました。そしてここまで声はするものの登場していなかったホシガラスが14:45にやってくると現地は大盛り上がり。高山鳥のほとんどが冬になると平地で見られるものの、このホシガラスは平地では見られないため、なんとか見たいと思っていましたが、意外なことにその後は何度も何度も水浴びにやってきてくれ、かなり長時間に渡って観察することができました。

今期2度目の富士山五合目は前回よりも天気が良く、にわか雨もありませんでした。数日間好天が続いていたことから水場が賑やかで、主役のキクイタダキはオス、メス共に見ることができ、常連のルリビタキ、ウソ、メボソムシクイ、ヒガラ、コガラ、そして最後の最後にホシガラスもやってきて盛り上げてくれました。猛暑を離れての観察は快適でした。この度はご参加いただきましてありがとうございました。

石田光史

キクイタダキ 撮影:寺田祐治様

 

ウソ 撮影:小松崎興太郎様

 

キクイタダキ 撮影:寺田祐治様

 

メボソムシクイ 撮影:小松崎興太郎様

 

メボソムシクイ 撮影:寺田祐治様

 

コガラ 撮影:小松崎興太郎様

 

ホシガラス 撮影:寺田祐治様

 

ルリビタキ 撮影:小松崎興太郎様

 

メボソムシクイ 撮影:寺田祐治様

 

ホシガラス 撮影:小松崎興太郎様

 

キクイタダキ 撮影:小松崎興太郎様

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