【ツアー報告】フォトツアー夏の北海道 花と鳥のコラボレーションを撮る! 2019年7月11日~14日

(写真:ツメナガセキレイ 撮影:刈田宏様)

ベストシーズンの夏の北海道をめぐるツアーはさまざま企画していますが、ここ数年は写真撮影を希望されるお客様が増えたことから新たにフォトツアーを企画しています。通常のツアーとは違い、訪れる探鳥地を撮影の最適な場所に絞り、滞在時間を長くしています。そのため訪れる探鳥地は少なくなりますが、ゆっくりと時間をかけて撮影することができ、集合出発時間をあらかじめ決めるため自由行動も可能です。この時期、花々で埋め尽くされる原生花園を複数めぐりながら、とにかく色鮮やかな野鳥たちを撮影していきます。関東はずっと雨が続いていてなかなか梅雨明けしませんが、今年は北海道の天候もおかしく、今回もすっきりとした晴れマークがない天気予報の中、出発することになりました。

11日、ずっと天気が悪かった東京都内ですが、この日は朝から珍しく快晴の中、予定通りに羽田空港を出発して現地に向いました。到着後は関西からご参加のお客様と合流してから空港内で撮影機材の準備をしてから出発しました。天気予報は曇りでしたがこの日は幸い穏やかな陽気の中、青空が広がっていました。1時間ほど移動してこの日の撮影地に到着しました。心地よい風が吹いてはいましたがやや蒸し暑さもあり、半袖でも大丈夫なくらいでした。園内はハマナスの赤い花とムシャリンドウの青い花が咲き乱れていました。遊歩道に入ると早速、ノビタキが愛想良く姿を現し、さらに進むと複数のノゴマがさえずり、コムクドリのつがいが飛び回っていました。ノゴマはソングポストが決まっているため、みなさんそれぞれに気に入った場所で撮影していただき、その後はベニマシコ、ホオアカ、オオジュリンなども加わって、それぞれ狙いの種を撮影していただきました。特にノゴマは比較的近い距離に良いソングポストがあったため、じっと待っていると何度も何度もやってきてくれたことからじっくりと撮影ができました。また遊歩道沿いでは巣立ったばかりのホオアカがヒナを連れて歩き回り、この時期だからこそのシーンを撮影することもできました。その後は当地ではあまり見かけないシマセンニュウが間近にさえずるも姿を見ることはなく、夕方になり風がやや冷たくなった18:00前には現地を出発して市内のホテルに向かいました。結局、この日は穏やかな陽気の中、雨の心配が全くなく過ごすことができ幸いでした。

12日、この日は天気が心配でしたが早朝はやや明るい曇り空でした。ひとまずこの日は早朝に出発して現地に向かいました。この日も無風、そしてやや明るい曇り空で撮影には最高のコンディションでした。ここは一本道のためこの道を歩きながら撮影し、同様にそれぞれお好きな場所で撮影していただきました。ここでもまずはノビタキが間近に見られ、全く逃げる様子がないためじっくりと撮影することができました。またここではコヨシキリの姿が目立ち、各所でさえずっている姿を見ることができました。ほかにもノゴマ、オオジュリン、ベニマシコ、シマセンニュウといった鳥たちが続々と登場してくれたため、それぞれに狙っている種に絞って時間をとって撮影していただきました。またここでは最近各所で個体数が減っている印象があり、ツメナガセキレイの姿を見ることもでき、この後、撮影困難と予想したためじっくりと撮影していただきました。07:30頃には一旦ホテルに戻るため道を歩いて戻りましたが、ショウドウツバメやアマツバメが飛び、遠くの林にはオジロワシが止まっていました。一旦ホテルにて朝食をいただいた後は再び現地に向かい、同様に原生花園の野鳥たちを撮影しました。この時間も空は曇ってはいましたが一気に蒸し暑くなり、夏物のウェアでも十分に対応可能でした。今後のことも踏まえてツメナガセキレイの撮影を中心に行っていただいたほか、シマセンニュウに関しても今後の探鳥地での撮影が困難になる可能性が高いため同様に集中的に撮影を行っていただきました。ただ最後までマキノセンニュウの気配がなかったのが残念でした。昼前まで撮影を続けた後は一旦昼食を購入してから次のポイントに向かいました。ここでも海からの風が心地よい感じがしましたが蒸し暑く、夏物のウェアで十分といった感じでした。毎回、ここではベニマシコが多く見られることからポイントを絞ってベニマシコを狙っていただきました。ポイントまで行くと早速ベニマシコの声が聞こえ、枯れ木に止まる真っ赤なオスを撮影することができました。その後も周辺の枯れ木に止まってさえずる姿などが頻繁に見られたためベニマシコの撮影は順調に進み、また周辺ではソングポストでさえずるオオジュリンの姿もあったためじっくり撮影することができました。ほかにも巣立ったヒナを連れたノゴマやノビタキなども撮影することができました。その後は道北まで移動する予定でしたが、天気予報が雨マークだったため悩みましたが、宿泊予定のホテルに連絡したところ雨は降りそうもないとのことで一気に道北まで移動しました。途中、小雨が降っていましたが現地に到着すると曇り空で雨は降っておらず、ひとまず木道を歩いてみました。今期はシマアオジの姿がないほか、エゾカンゾウの満開時期が例年よりも早かったことから全体的には残念な印象でした。ただ複数のノビタキが飛び回り、巣だったばかりのヒナたちが飛び回っている姿を撮影することができました。

13日、この日もひとまず雨が降ったような形跡がない中、早朝に出発して原生花園に向かいました。ただシマアオジの姿がないことから、早朝の時間は木道側での撮影は諦め別の草原に向かいました。やや風があり今回のツアーでは最も冷え込んだ印象があり、そのせいか小鳥たちの動きは今一つでした。道路沿いの遊歩道を歩くとツメナガセキレイが風に向かって飛び、ノビタキやオオジュリンの姿もありましたが撮影するには距離感が悪く残念な結果となってしまいました。ただ最後の最後でようやくマキノセンニュウのさえずりが聞こえ、しばらく見ていると草原内の低木にやってきてはさえずってくれました。また帰り間際には林の中からハシブトガラ、ヒガラ、ゴジュウカラ、コゲラの声が聞こえ、巣立ったばかりのヒナを連れたヒガラの姿がよく見られました。その後は一旦朝食に戻り、その後は原生花園の木道を歩きました。今年はあまり鳥の状況が良くないことから時間を短縮して観察し、最後にようやくいい距離感でホオアカを撮影することができ、その後は予定よりもやや早く南下しました。やや時間があったためその後は周辺の湿地帯をめぐりながら原生花園にやってきました。ここではまず木道を歩き、朗々とさえずるノゴマや子育てが終わったノビタキなどを撮影してから一旦昼食の時間とし、その後は反対側の草原で撮影をしました。枯れ木のソングポストではコヨシキリやノゴマがさえずり、やや距離はありましたがシマセンニュウがしばらくの間、さえずっていました。そして午後に現地を出発して、途中、道の駅を経由してこの日の宿泊地まで移動しました。到着直前には翌日に行く予定の大雪山旭岳がバッチリと見えていました。

14日、この日も天気予報が悪かったことから早朝に外を見てみましたが、なんと驚いたことに青空がのぞいていました。そのためちょっとほっとして早朝に旭岳ロープウェイに向かいました。ただ到着時は休日ということもあってか、かなりの人が並んでいたため、始発からはやや遅れて乗車して現地に向かいました。ひとまず視界はあり、振り返ると雲海が広がっていました。最終日の今日は夏の北海道では一番人気があると言っても過言ではないギンザンマシコを狙うのですが、とにかくさまざま条件が整わないといけないのですが、この日は幸にも良い条件が揃ってくれました。到着後は装備を整えて歩き出し、ポイントに向かいました。やや雲が出てきて快晴ではありませんでしたが、到着後も視界はバッチリで後はギンザンマシコが登場するのを待つばかりでした。ただ、今年はギンザンマシコの出は比較的良いようで、早速メスが2羽で間近にやってきてハイマツの実を食べる様子をしっかり撮影させてくれました。その後も時折霧がかかる時間帯もありましたが、真っ赤なオス個体や一部橙色がかったオス個体など、ギンザンマシコは頻繁に姿を見せてくれ、この日は意外にもカヤクグリがさえずる姿がよく見られました。また周辺では引っ切り無しにノゴマ、ルリビタキがさえずり、ウソもやってきてハイマツに止まってくれました。先月に訪れた時に比べると残雪はほとんどなくなり、足元を見るとキバナシャクナゲやメアカンキンバイ、エゾノツガザクラ、アオノツガザクラ、そしてチングルマの群落も美しく、最高の条件の中で撮影を行うことができ、予定通りロープウェイで下山し空港に向いました。

まずは出発前にかなり天気予報が悪かったにもかかわらず4日間を通して撮影中に雨に打たれることがなく、大雪山旭岳でも視界も良く幸運な4日間でした。ただ、本来メインポイントであるはずのサロベツ原生花園でシマアオジの姿がなく、その他の鳥たちの状況も良くなく、またエゾカンゾウの開花時期もややずれてしまい残念でした。ただ、先月末の段階でこれらがわかっていたため、直前に訪れたオホーツク海側の原生花園でやや時間を長めに取り、ツメナガセキレイやノゴマ、オオジュリン、ベニマシコ、シマセンニュウといった代表種が撮影できたことは幸でした。また最近人気の高いギンザンマシコに関しては、今期は出現頻度が高い印象で、今回もオス、メス共によくその姿を見せてくれました。今後も撮影ツアーを充実させて行く予定ですので、主に撮影を目的にされているお客様はぜひご注目ください。この度はご参加いただきましてありがとうございました。

石田光史

オオジュリン 撮影:上森隆司様

 

ギンザンマシコ 撮影:刈田宏様

 

ツメナガセキレイ 撮影:上森隆司様

 

ノゴマ 撮影:刈田宏様

 

シマセンニュウ 撮影:上森隆司様

 

ホオアカ 撮影:刈田宏様

 

アオジ 撮影:上森隆司様

 

オオジュリン 撮影:刈田宏様

 

シロハラゴジュウカラ 撮影:上森隆司様

 

ツメナガセキレイ 撮影:刈田宏様

 

ベニマシコ 撮影:上森隆司様

 

ギンザンマシコ 撮影:刈田宏様

 

ノゴマ 撮影:上森隆司様

 

ノビタキ 撮影:刈田宏様

 

ギンザンマシコ 撮影:上森隆司様

 

カヤクグリ 撮影:刈田宏様

 

ノビタキ 撮影:上森隆司様

 

シマセンニュウ 撮影:刈田宏様

 

ノビタキ 撮影:刈田宏様

 

ツメナガセキレイ 撮影:刈田宏様

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