【ツアー報告】沖縄本島の海アジサシと宮古島のアカショウビン 2019年6月23日~26日
(写真:キンバト 撮影:赤松博行様)
23日、お客様と那覇空港を出発。今年は例年になく梅雨明けが遅くて毎日激しい雨が続いている。楽しみにしていた無人島は残念ながら波が高くて欠航となる。しかし、昨日の波予報で運航は厳しそうだったので準備は万端である。急遽、専用車で探鳥に向かう。農道をゆっくり走り、シロガシラ、リュウキュウツバメ、シマキンパラなどの沖縄ならではという種類を観察、撮影する。こんな時期にアカアシシギ、アオアシシギ、セイタカシギ、コチドリなどが残っていて、さらに綺麗な夏羽のクロハラアジサシ数羽と冬羽のハジロクロハラアジサシも飛び回っている。もちろん、みなさんでじっくりと観察、撮影する。その後は那覇空港へ戻り宮古島に向かう。
24日、早朝にホテルを出発し、森林のポイントへ行く。宮古島も雨が多くあちこちに水溜りがあるので、鳥たちがわざわざここへ水浴びに来ないのだ。それでも待っているとリュウキュウサンコウチョウが数回水浴びに来て、リュウキュウアカショウビンも水場の近くまでやって来る。カラスバトやキンバトも鳴きながら飛び回り、林道の脇でリュウキュウサンコウチョウが巣造りをしている。お客様のひとりが林道でオオクイナの写真を撮って来たのでみなさんに羨ましがられる。周辺の樹林へ行くと、あちこちでリュウキュウアカショウビンやリュウキュウサンコウチョウが鳴いていてチラッチラッと見えるがなかなかすっきりとは見えない。その後は橋の上の駐車場でウミガメを見てから漁港へ行く。すると直ぐにオオアジサシが飛来して港内を飛び回りみなさんで盛り上がる。港内にある生簀ではエリグロアジサシ、ベニアジサシ、クロサギの白色型や黒色型などが採餌をしているのでこれらを観察、撮影する。漁港の奥ではエリグロアジサシ10数ペアが繁殖をしている。例年ならヒナの時期だが、今年は大雨で失敗して、やり直しの抱卵中のペアが多くこれらをそっと観察、撮影する。あまり知られていないがここではカツオやマグロが水揚げされて新鮮な刺身が食べれらるのだ。ということで昼食は漁港内にある食堂で海鮮丼となる。その後は耕作地をゆっくりと走る。何度も何度もミフウズラが農道を横切るが写真撮影とまではいかない。ただツバメチドリのヒナから幼鳥までのいろいろな成長過程が見られる。その後は公園へ行き、モモタマナの枝で鳴いている綺麗なキンバトの雄をみなさんで観察、撮影して直ぐにその場を離れる。その後は再び耕作地をゆっくりと走り、ここでも何度もミフウズラが見るが素早く草に入ってしまい写真撮影は難しい。夕方ホテルに戻り、夕食後は夜間観察に行く。日没頃からインドクジャクがネコのような声で鳴き、翼長1m近くもあるヤエヤマオオコウモリが飛ぶ。枯木にとまるリュウキュウアオバズクを観察しているとあちこちでリュウキュウコノハズクが鳴き出す。ちょっと困ったようなかわいい顔をしたリュウキュウコノハズクをみなさんでたっぷりと堪能してからホテルに帰る。
25日、早朝にホテルを出発し森林のポイントへ行く。リュウキュウアカショウビンやリュウキュウサンコウチョウが近くにやって来るが水浴びはしない。そこで、昨日、オオクイナが横切った林道で待つ。リュウキュウアカショウビンが近くにとまって鳴く。しばらくするとオオクイナが林道を横切り、慌ててみなさんで観察、撮影する。車に戻る際にもう一度、池を見に行くとリュウキュウキビタキの雌が水浴びをしていた。この日の昼食はお豆腐屋さんがやっている「ゆし豆腐そば」をいただく。その後は漁港から漁船に乗って沖合の岩礁へ行く。見た目よりも波があって揺れるが、波を被るようなことはない。岩礁の沖合いに到着すると岩礁ではクロアジサシ約200羽、マミジロアジサシ約50羽、エリグロアジサシ多数などが飛び回っている。漁船の近くや上空をクロアジサシやマミジロアジサシが飛んで来るのでみなさんでじっくりと観察、撮影する。至近距離を目線の高さで飛ぶクロアジサシやマミジロアジサシはつくづく美しく、中にはセグロアジサシのお写真を撮られている方もいらっしゃいました。帰港後は漁港へ行く。エリグロアジサシのコロニーがあって何十羽と飛びまわる。堤防の直ぐ近くの岩礁で抱卵しているペアがいて観察、撮影する。その後、耕作地をゆっくりと走り、何度か直ぐに隠れてしまうミフウズラやシロハラクイナを見ながらホテルに帰る。
26日、早朝にホテルを出発し周辺の樹林へ行く。リュウキュウアカショウビンやリュウキュウサンコウチョウがとまるが全員でじっくり見る前に飛んでしまうが、カラスバト、キンバト、シロハラクイナなどを観察、撮影する。その後は島を北上すると、道路の脇でミフウズラの雌2羽が喧嘩をしていて、我々をまったく気にすることもなく喧嘩に夢中なので車から降りてじっくりと観察、撮影する。湿地ではムラサキサギ、ヨシゴイ、リュウキュウヨシゴイや夏羽のクロハラアジサシを観察、撮影していると、距離が少し遠いがレンカクの夏羽を発見。思いもよらないレンカクの出現にみなさんで盛り上がる。その後は島を南下しながら昼食。さらにその後、ミフウズラやシロハラクイナなどを探しながら耕作地を走り回り探鳥を終了する。
梅雨の雨を避けながら、クルーズによる南の海アジサシ類、夜間のリュウキュウコノハズクやリュウキュウアカショウビン、リュウキュウサンコウチョウ、オオクイナ、キンバト、ミフウズラなどの欲張りツアーとなりました。みなさま、お疲れ様でした。そして、ありがとうございました。
宮島 仁