【ツアー報告】ベストシーズンの大洗航路と北海道の小鳥たち 2019年6月6日~9日
(写真:アカモズ 撮影:中村裕一様)
海鳥たちの北上期を迎え、観察できる海鳥の種類も個体数も多い大洗~苫小牧航路のベストシーズンに道内での探鳥を加えたこの時期恒例のツアーです。この時期の大洗~苫小牧航路はアホウドリ類3種、ミズナギドリ類5種、そしてオオトウゾクカモメの観察例も多く、かなり北の海域前提ではありますが、ウミツバメ類の観察例があるのも楽しみです。また道内では時間の関係から、それほど広範囲にはめぐれないものの数か所で探鳥することが可能で、ここ数年、本州ではなかなか観察できなくなってしまったアカモズを中心に行程を組み、さらには現地からの最新情報を加味して探鳥を行います。
6日、集合場所の大洗港フェリーターミナルに22:30にご集合いただき、トラベルイヤホンの使用方法、翌日の連絡事項をお伝えし、また土曜日の道内探鳥についてお伝えしてから23:00頃乗船しました。このツアーは集合時間が遅く、できる限り早めに乗船し就寝していただくため、あらかじめ連絡事項を郵送しています。そのため集合時の連絡事項をかなり簡素に終えるようにしています。
7日、*諸般の事情から詳しい出現状況をウェブサイトでは公開しておりません。
8日、この日はホテルで朝食をいただいてから出発して探鳥に向かいました。最初の探鳥地では幸いにもクマゲラに出会うことができたことから予定よりも時間を使って観察することにし、オス、メス、そしてオスが独特の声で鳴く様子まで観察することができました。その後、林を歩くとセンダイムシクイのさえずりが聞こえ、シロハラゴジュウカラが木の幹を登りながら餌を探していました。またエゾムシクイのさえずりを聞きながら美しいキビタキの姿を楽しむこともできました。その後は木の幹をどんどん登っていくキバシリの姿をじっくりと観察し、最後は可愛らしいエゾリスの姿を堪能してから、一旦各自昼食の時間としました。昼食後は1時間半ほど移動してアカモズを探すことにしました。ここではいきなりノゴマが大声でさえずり、電線にはノビタキも止まっていました。ノゴマは特に人気があるようで思わず時間オーバーして観察、撮影を行いました。その後はいよいよアカモズを探して移動しました。しばらく行くとたまたま枯れ木に止まるアカモズの姿があったことからバスを降りて徒歩にて行ってみることにしました。すると間もなく同じ枝にアカモズが止まり、その後も何度となくその姿を見せてくれ、オスのほかメスの姿も見られどうやら繁殖しているようでした。また付近ではホオアカがさえずり、ノビタキはさえずり飛翔をしてくれました。時間が押してきてしまいましたが、もう一か所行ってみたい場所があったため移動するとこちらでもアカモズが現れ、比較的じっとしてくれていたため意外なほどじっくりと観察することができました。一旦姿を消したものの再度出現してくれたことも幸いで、モズに比べてスマートで赤みが強く、正面向きで見るとかなり白く感じることも印象的でした。観察後はトイレ休憩をとり苫小牧に戻りました。
9日、*諸般の事情から詳しい出現状況をウェブサイトでは公開しておりません。
今回は観察種も個体数も多い大洗~苫小牧航路のベストシーズンと道内探鳥をセットにしたツアーでしたが、航路探鳥においてミズナギドリ類が極端に少なく残念でした。アホウドリ類3種、オオトウゾクカモメ、そして結果的にはミズナギドリ類5種は観察できましたが、数の少なさには驚きました。これが今年だけのことであれば良いのですが心配になりました。ただ、道内では前日は濃霧だったそうですが、当日は良い天気になり、今年はたまたまクマゲラに出会うことができました。またこのツアーの一番の目玉であるアカモズも2か所で確認することができ、ほかにもノゴマ、ノビタキ、ホオアカ、カッコウといった草原性の野鳥たちを楽しむことができました。今後も時期を変えて航路探鳥を継続して参りますので、今後もこの大洗~苫小牧航路に季節を変えてご乗船いただけましたら幸いです。この度はご参加いただきましてありがとうございました。
石田光史