【ツアー報告】沖縄やんばるの森の固有種たち 2019年6月2日~4日
(写真:ノグチゲラ 撮影:益子秀行様)
2日、11:40那覇空港を出発。梅雨の最中で毎日、雨マークだが沖縄の梅雨は内地のようにずっと降り続けないのだ。本日も午前中は大雨・雷警報が発令されていたが、今は降っていない。遠方の岩礁にエリグロアジサシが2羽とまっているがどうにも遠い。仕方なく別の岩礁へ行き、比較的近くにとまっているエリグロアジサシ3羽をみなさんでじっくりと観察、撮影する。繁殖期は胸がほんのりとピンク色となって可愛いのだ。その後はノグチゲラを待つがやって来ない。シジュウカラの亜種オキナワシジュウカラの幼鳥が親鳥の後を追いかけていく。遠くでアカショウビンの亜種リュウキュウアカショウビンが鳴いている。アカヒゲの亜種ホントウアカヒゲの雄が出てきて木にとまり、餌をついばんだり水浴びをしたりとのんびりしている姿をみなさんで観察、撮影する。さらに芝地にヤンバルクイナが出て来て餌を探す姿を観察、撮影する。その後林道を走っているとリュウキュウアカショウビンが林道を横断する。さらにサンコウチョウの亜種リュウキュウサンコウチョウがアップテンポで囀りながら近くまで来るがチラッチラッとしか見えない。夕方、ヤンバルクイナのポイントへ行くと、いつものポイントでキャサリンと呼んでいるヤンバルクイナとその隣の個体が出て来て歩きまわるのでみなさんで観察、撮影する。初日の半日でやんばる3点セットの2種をたっぷりと堪能してやんばるの森の中のホテルに到着。夕食時はホントウアカヒゲとヤンバルクイナの話題で乾杯となったのである。
3日、早朝、今にも雨が降りそうな中、遠くからリュウキュウアカショウビンの囀りが聞こえる。狙った通りに直ぐに、デイゴの花にノグチゲラの雄がやってきて蜜を舐める。この時期限定の真っ赤なデイゴの花と深紅のノグチゲラの共演なのだ。ノグチゲラの雌もやって来て蜜を舐める。今シーズンのデイゴの花もこれが最後だからなのかずっと舐めている。ヒヨドリの亜種リュウキュウヒヨドリやメジロの亜種リュウキュウメジロも花にやって来る。さらに芝地にヤンバルクイナが出て来て餌をついばむ。デイゴの木にノグチゲラ、下にヤンバルクイナ、そしてホントウアカヒゲが囀るという贅沢な時間がゆったりと流れていく。ホテルに戻って朝食後はヤンバルクイナのポイントへ行く。ヤンバルクイナはミミズやカタツムリを食べるので梅雨時期が最も見やすいのである。ところが、突然、バケツをひっくり返したような土砂降りとなる。雨雲レーダーによると10:30頃には雨雲が抜けるようなので、予定を変更して南下し、雨でも車で回れる農道をゆっくり走る。すると、普段ならこんな昼間には出て来ないヒクイナの亜種リュウキュウヒクイナが道路を歩いている。雨のお陰なのだ。再び、雨が強くなったので道の駅でお買い物。その後は再び農道を車でゆっくり走ると、ここでもリュウキュウヒクイナ2羽が道路を歩いているのを観察する。12:35に沖縄そばの昼食。その後、雨があがったので林道へ行き、ノグチゲラが雄の後を幼鳥が追いかけている姿を観察。さらにホントウアカヒゲも何ヶ所かでじっくりと観察、撮影し、やんばる3点セットをすべて完全に撮影となる。その後、周遊道路を通ってヤンバルクイナのポイントへ行く。雨上がりでヤンバルクイナがあちこちに出てくるが、水浴びのポイントで待つという勝負に賭けた。これが当りで、ドロシーと呼んでいる夫婦が出て来てゆっくりと水浴びをして藪に帰って行くシーンをみなさんでじっくりと観察、撮影する。夕方、やんばるの森の中のホテル帰着。夕食を食べながらやんばるの話で大いに盛り上がったのである。
4日、早朝、雨の予報だったが朝から晴れている。ヤンバルクイナのポイントへ行き、昨日、キャサリンの隣の個体の動きが怪しかったので暫く待つと、藪から出て来て道路を渡り、カニを咥えて、また、同じ藪に入って行く。やはり、小さなヒナがいるようで、その後、親鳥は2回カニを捕って、同じ藪に運んでいく。もちろん、みなさんでじっくりと観察、撮影したのである。ホテルに戻って朝食後は南下して耕作地へ行き、アマサギ、チュウサギ、ダイサギなどのサギ類、コチドリ、アオアシシギ、タカブシギ、シロハラクイナなどを観察、撮影する。時間が惜しいのでお弁当を買って午後は農道をゆっくり走ってみる。するとツバメチドリが1羽飛んでいたので、下りそうな畑を探すが見付からない。その後は海岸へ行きエリグロアジサシのペアやクロサギの白と黒のヒナなどを観察、撮影する。その後は再びツバメチドリを探すが見付からない。そして最後はセイタカシギ、コアジサシなどを観察して、那覇空港へと向かったのである。やんばる3点セットをばっちりと観察、撮影できた3日間でした。みなさま、お疲れ様でした。
宮島 仁