【ツアー報告】サンカノゴイに会いたい!初夏の印旛沼(追加設定)2019年6月5日
(写真:ヨシゴイ 撮影:林山直樹様)
6月に入り、いよいよ本州の森林での野鳥観察は厳しくなってきてしまいました。ただ、まだまだ湿地帯の野鳥たちは元気に歌い、そのため観察はこれからが本番といった感じです。今期は追加設定となったため印旛沼を訪れるのはこれが2回目となりました。今年はサンカノゴイの登場頻度が極めて低く、ここまでほぼ見られていないとのことでしたが、ようやく出発前日にその姿が確認されたとのことでした。
5日、前回は強烈な風の中での探鳥となり残念でしたが、今回は曇り空ながら穏やかな東京駅前をほぼ予定通り出発しました。移動中のバス車内ではこの日に見られる可能性の高い種の識別ポイントなどを解説しながら進み、途中休憩を挟んでも2時間弱で最初の探鳥地に到着しました。このツアーは毎回のように暑い日に当たっていましたが、この日は曇り空のため強烈な日差しはなく心地よい感じでした。早速ヨシゴイが飛び交い、しかも何度も何度も、そして何個体も飛翔してくれたことから過去記憶にないほどしっかりとその姿を堪能することができました。穏やかだったことからヨシに止まる個体もいたことから、望遠鏡を使ってその姿をじっくり見ることもできました。そして相変わらずオオヨシキリも元気で、その密度の高さには驚きました。また湖面を眺めるとコアジサシが飛び、その中にクロハラアジサシの夏羽の姿もありました。狙いのサンカノゴイは時々その声は響いているものの姿を見ることはできず、ひとまず利根川流域まで移動することにしました。途中、道の駅で各自昼食の時間とした後はさらに移動し、まずは最初のポイントに到着しました。ただここでは残念ながらオオセッカやコジュリンの姿はなく、次のポイントに移動しました。ここでは水田に群れる夏羽のチュウサギが見られましたが同様に小鳥類の声がなく心配でしたが、少々歩いたあたりで巣立ったばかりのヒナを連れたコジュリンに出会うことができ、巣だったばかりのヒナやさえずるオスを観察することができました。また付近ではホオアカがさえずり、ソングポストがはっきりしているコヨシキリは複雑なさえずりを響かせていました。その後もさえずるコジュリンを何度も見ることができましたが、なかなかオオセッカが見られないことから少々時間延長して別のポイントに行ってみました。堤防上を歩いて行くとまずはコヨシキリの姿があり、その後、ようやくオオセッカがさえずり飛翔を繰り返していました。そのうちの1羽は葦の比較的高い位置に止まってさえずっていたことから望遠鏡を使ってじっくりと観察することができました。また周辺でチュウヒの飛翔も見られました。やや時間が押してしまいましたが、その後は再び印旛沼まで戻ってサンカノゴイとの出会いに期待しましたが残念ながら出会うことはできず、相変わらず飛び回るヨシゴイの姿やさえずるホオジロ、オオヨシキリの姿を見て探鳥を終了しました。
今年は2度、印旛沼を訪れましたが結果的にはサンカノゴイに出会うことができず残念でした。ただヨシゴイは例年になく数が多く、さまざまなシーンを見ることができました。またこの日は穏やかだったことからオオセッカ、コジュリン、コヨシキリ、ホオアカ、セッカ、そしてコアジサシやクロハラアジサシにも出会うことができ幸でした。この度はご参加いただきましてありがとうございました。
石田光史