【ツアー報告】アホウドリに会いたい!東京~八丈島航路 2019年3月20日~21日
(写真:アホウドリ 撮影:山室俊夫様)
さて、北航路のウミスズメ類が去っていった後、ミズナギドリ類の北上までまだまだ時間があることから、この時期は一旦南の航路に乗船して、ちょうどこの海域にやってきているアホウドリとの出会いに期待して八丈島に向かいます。国の特別天然記念物に指定され、ここ数年の保護活動によってその数を数千羽まで回復してきたアホウドリ。翼開長240cmという巨大さと、その飛翔形の美しさはほかの海鳥を寄せ付けない威厳があります。春の伊豆諸島近海は海況が悪いことが多く、良い条件に当たることがまず第一条件ですが、この日は天気予報は芳しくなかったですが波は穏やかな予報の中、出港できることになりました。
20日、休日前ということもあってか、かなり混雑している印象がある竹芝フェリーターミナルへ。ただ予定通りにご集合が完了したことから、資料の配布、トラベルイヤホン使用方法説明、そして翌日の連絡事項とトラブル対応方法をお伝えし、最後に東京~八丈島航路の運航予定、そして海鳥の出現傾向をお伝えしてから乗船を開始し、まずは三宅島に向けて出港しました。
21日、大きな揺れもなく船は進み、予定よりもやや早く三宅島錆が浜港に到着しました。この日はオオミズナギドリの大群やクロアシアホウドリ、そしてここ数年、ほぼ見ることができていなかった、シロハラトウゾクカモメとトウゾクカモメを何度も見ることができました。やや遅れて八丈島底土港に到着した後はザトウクジラのブローや潜水行動、そして豪快なブリーチングが見られ、さまざまなタイプのアホウドリ、そしてクロアシアホウドリ、コアホウドリ、そしてカツオドリやオーストンウミツバメが見られました。
ここ数年、春の海鳥観察としてすっかり恒例となった、この東京~八丈島航路。海況が安定しない時期であるというリスクはありますが、ほかの海鳥観察ツアーに比べると竹芝桟橋から乗下船できることから集合が楽なこと、また集合時間が遅めなことから時間を有効活用することもできます。また観察時間は12時間程度ということで海鳥観察としては時間が短いことから、比較的初心者の方にとっては参加しやすいのではないでしょうか。観察種数こそ少ないですが、日本近海で見られる海鳥の中でも極めて大型で美しい国の特別天然記念物、アホウドリとの遭遇率が高く、今回もさまざまなタイプの個体が楽しませてくれたほか、クロアシアホウドリ、コアホウドリ、オーストンウミツバメ、カツオドリ、シロハラトウゾクカモメ、トウゾクカモメ、そしてここ数年話題になっているザトウクジラの豪快なブリーチングも見られました。今後もトラベルイヤホン使用で見逃し、聞き逃しのないよう配慮した海鳥観察ツアーを企画して参ります。またの機会、ぜひ海鳥観察にお出かけください。この度はご参加いただきましてありがとうございました。
石田光史
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