【ツアー報告】関東有名探鳥地巡り 100種に会いたい! 2019年2月8日~10日

(写真:ミヤコドリ 撮影:高木信様)

東京発の日帰りバスツアーはさまざま企画していますが、関東圏以外のお客様にとっては1本の日帰りバスツアーに参加するためにわざわざ東京まで来るのは難しいといったご意見から始まったこの企画。さまざま考え魅力的なコースをつなぎ合わせましたが、せっかくなので3日間で100種類の野鳥たちに出会うという目標をつけてみました。そのためには3日間を通しての天候が重要になるのですが、今回は驚いたことに土曜日に関東で積雪があるとの予報が出てしまいました。最も重要な中日の天候悪化は痛いのですが、とりあえず道路状況などを気にしながらの運行となりそうでした。

 8日、この日の天気予報は晴れということで、天候には全く問題ない中、前回同様に予定通り09:30に東京駅前を出発しました。この日は群馬県をめざしてバスを進めましたがこれまた前回同様に強風が吹き始めてしまいました。途中休憩を挟んでまずは館林市に到着し観察機材準備をしてから観察を開始しました。風が吹く中でしたが、まずはオオハクチョウの姿があり、間近にある木にはカワセミが止まってくれました。少し歩くと今度はコハクチョウの群れがいて、その群れが歩きはじめるとその中に混じる2羽のマガンが姿を現してくれました。湖面は風のため大変見にくい状況でしたが、カルガモ、ヒドリガモ、ミコアイサ、カンムリカイツブリの姿があり、湿地帯にはオジロトウネン、シロチドリの姿がありました。その後は隣接する沼で昼食の時間をとりながら、オナガガモ、スズメの群れ、飛翔するチョウゲンボウを観察してから移動しました。到着すると相変わらず強風の中、オオハクチョウとコハクチョウが群れ、周辺にはホシハジロ、ハシビロガモ、コガモ、キンクロハジロの姿もありました。その後は渡良瀬遊水地に向かいましたが、途中ではここでの目的だったミヤマガラスのかなり大きな群れにあっさり出会うことができ、この冬全く見ることができていなかったコクマルガラスを見る機会に恵まれました。しかもこのたった1羽の個体はシロマルと呼ばれる成鳥個体だったことからラッキーな出会いでした。引き続き強風の中ではありましたが渡良瀬遊水地では少なからず小鳥類に期待して歩いてみましたが、やはり小鳥類の気配は少なく、モズ、ホオジロ、シロハラ、シメ、ジョウビタキなどを見て、最後にミコアイサの群れと一緒にいるカワアイサを見てから、この日もコミミズク観察ポイントに向かいました。現地に向かう途中ではようやくベニマシコをチラッと見ることができたほか、川ではタシギ、キセキレイ、そして堤防沿いの草地ではキジの姿がありました。また風をうまく利用してホバリングを繰り返すノスリを楽しむこともできましたが残念ながらコミミズクに出会うことはできませんでした。ただこの日は54種の野鳥たちに出会うことができ、まずまずのスタートとなりました。

 9日、前日の夜から天気予報ばかり見ていましたが、結果は一向に変わらず朝から雪の予報でした。ただ朝食の06:30にはまだ雪は降っておらずどうなることかと思っていましたが、結局出発の07:30に合わせるように小雪が舞ってきてしまいました。とりあえずホテルから20分ほど走って公園に向かい、小雪の中探鳥を開始しました。駐車場付近ではいきなり、エナガ、シジュウカラ、コゲラの混群がやってきてくれ、広場ではビンズイの小群が地上採食していました。続いて池ではヨシガモの群れ、オカヨシガモ、ミコアイサといった顔ぶれを見てから園内を歩くことにしました。やや雪が強まる中でしたが、珍しく目線ほどの高さに木にキクイタダキがやってきてくれ、「チョッ、チョッ」と元気よく鳴くミソサザイ、また当地では珍しいアカゲラやじっとしているキジの姿を見ることもできました。その後はシロハラ、ジョウビタキ、エナガなどを見ながら歩き、松林付近では道路上をノコノコ歩き回るビンズイの小群とミヤマホオジロの♀を見ることができました。その後もこの日、特に目立ったビンズイをかき分けるように歩きましたが、雪のせいか小鳥たちの動きは良くなく、期待していた定番種のいくつかが見られないまま、アオジ、カケスなどを見てから少々早く移動することにしました。公園での探鳥の後は高速道路を乗り継ぎ、途中にあるサービスエリアで昼食の時間をとった後は圏央道に入って茨城県稲敷市に移動しました。幸いこの頃には雪は止み、積雪のある畑地での探鳥となったため小鳥類に期待できる状況になっていました。まずは毎年越冬にやってくるヒシクイの群れに出会うことができ、川沿いのヨシ原ではオオジュリン、カシラダカ、ホオアカ、畑地では群れるヒバリ、カワラヒワ、タヒバリ、そしてカモ類を狙うオオタカ幼鳥の姿や飛翔するミサゴの姿も見られ、ここでようやく観察種を増やすことができました。その後は勢いに乗ってシギ類を探しに行き、まずはクサシギ、オジロトウネン、セイタカシギ、その後はタカブシギ、タシギ、途中にはたまたまムクドリの大きな群れがいたことから見てみると、幸い電線にズラリと並んだ群れの中に3羽のホシムクドリが見られ、最後は小雨が降る中、オオハシシギ、アオアシシギ、タゲリの群れを観察することができました。そして最後は猛禽類の塒入りを観察しましたが、気温が下がってきたことから再び強い雪が降り出し、それでも乱舞する20羽ほどのチュウヒ、木に止まるコチョウゲンボウが見られ観察を終了しました。ただこの日はかなり厳しい1日となり、新たに観察した種は27種とやや少なめでした。

 10日、深夜まで雨が降っていたため心配でしたが、この日は早朝から待ちに待った快晴。06:30から朝食をいただき07:45に出発して池に向かいました。ここではツグミ、シメ、シロハラ、メジロ、コゲラ、シジュウカラと小鳥類が賑やかでしたが期待のアカハラには出会えませんでした。その後はこの日のメイン探鳥地である漁港に向かい、漁港内をチェックしてみました。最初の場所ではウミネコの群れのほか、ウミアイサ、アカエリカイツブリ、ハジロカイツブリの姿があり、次の場所では距離はあったもののクロガモの群れが浮いていました。水路では大量のカモメ類が群れ、ユリカモメ、カモメ、ウミネコ、セグロカモメ、オオセグロカモメと基本的な5種を見たほか、ハジロカイツブリの群れやホシハジロ、オカヨシガモの姿もありました。その後は利根川を渡って銚子漁港に移動し、トイレ休憩後に再びカモメ類の群れを探しましたがこの日は残念ながら群れは遥か遠くの堤防上でした。そのため細かく探鳥地を刻みながら進み、ヒメウの群れやワシカモメ、そしてこの日は1羽のミツユビカモメに出会うことができ、その後はイソヒヨドリ、クロサギ、そしてカンムリカイツブリ、ハジロカイツブリ、アカエリカイツブリ、ミミカイツブリは個体数こそ少なかったですが間近に観察する機会がありました。そして最後はようやくシロカモメを観察することができ、ここで観察したいと思っていた種を網羅して各自昼食の時間としました。その後はまたまた高速道路を乗り継いで一気に千葉県まで移動し、このツアー最後の探鳥地である干潟にやってきました。この日は潮位が低いことから干潟でほぼ全ての種を観察できると踏んでいましたが、驚いたことに到着時には干潟には数羽のシロチドリしかいませんでした。一時焦りましたがまずはダイシャクシギの姿があり、その後はどこからともなくシギチドリ類が干潟に現れ、ダイゼン、ハマシギ、ミユビシギが続々とやってきて飛び回り、当地の名物となっている数百羽のミヤコドリの群れは見事な乱舞を見せてくれました。そして最後は海上に浮いているホオジロガモの♀、干潟を飛び回る2羽のズグロカモメの姿を見てから美しい夕陽に照らし出された干潟を後にしました。この日は穏やかな快晴の中、新たに25種を加えて3日間の観察種総合計は106種となりました。

 今回の関東有名探鳥地巡りは初日の強風に始まり、翌日は関東では珍しい積雪に雨、そして寒さと厳しい1日でした。そのため定番種を外してしまい苦労しましたが、初日にある程度観察種数があったこと、また最終日が良い天候の中、ほぼ満足行く探鳥ができたことから目標を達成することができました。マガン、コクマルガラスに始まり、ミヤマホオジロやキクイタダキ、そしてオジロトウネン、オオハシシギ、ホシムクドリ、最終日はミツユビカモメ、クロサギ、カイツブリ4種などが楽しませてくれました。ご参加いただきました皆様、この度はご苦労の多い探鳥、お疲れ様でした。

石田光史

オオハシシギ 撮影:宅間保隆様

 

オオジュリン 撮影:赤松博行様

 

ホシムクドリ 撮影:高木信様

 

ミツユビカモメ 撮影:宅間保隆様

 

ズグロカモメ 撮影:赤松博行様

 

マガン 撮影:高木信様

 

ダイシャクシギ 撮影:宅間保隆様

 

ハシビロガモ 撮影:赤松博行様

 

カワセミ 撮影:高木信様

 

ズグロカモメ 撮影:宅間保隆様

 

コクマルガラス 撮影:赤松博行様

 

タシギ 撮影:高木信様

 

ハジロカイツブリ 撮影:赤松博行様

 

カモメ 撮影:高木信様

 

アカエリカイツブリ 撮影:赤松博行様

 

ハジロカイツブリ 撮影:高木信様

 

アカエリカイツブリ 撮影:高木信様

 

ヒメウ 撮影:高木信様

 

アオジ 撮影:高木信様

 

ミミカイツブリ 撮影:高木信様

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