【ツアー報告】フォトツアー Wクルーズとシマエナガ・シマフクロウ 2018年12月13日~16日

(写真:シマエナガ 撮影:久永佳弘様)

毎冬恒例だった知床沖と根室沖のWクルーズとシマフクロウをメインにしたツアー。毎回ご好評でしたが、昨年から10名様限定の撮影ツアーにリニューアルし、時間を気にせずシマフクロウが撮影可能な行程にし、さらにはシマエナガ、タンチョウ、オオワシ、オジロワシの撮影行程を加えました。海鳥観察は我々にとって看板商品のため、ツアーには積極的にクルーズ行程を加えていきたいのですが、欠航のリスクが付きまとうためなかなか難しいものです。ただ、今回は幸い穏やかな4日間になるとの予報でした。

13日、早朝からどんよりした空模様でしたが、予定通り羽田空港を出発して中標津空港に向いました。通常であれば到着後に空港にて観察機材の準備をしてからバスにて出発となるところですが、この日は早速シマフクロウ撮影の予定で、しかも日没が15:40のため、日没に間に合うように現地に行かなくてはならず、ひとまずバスに乗車していただき宿に向かいました。現地羅臼町には15:20に到着し、周囲が薄暗くなってくる中、一旦お部屋に入っていただいた後は観察機材のセットにとりかかりました。川ではカワガラスがせっせと潜水しながら採食し、枯れ木にはオオワシの姿がありました。その後は見る見る暗くなってくる中、シマフクロウの出現を待ちましたが、この日は早速、シマフクロウが1羽、ふわっとスローモーションのように闇から現れ、その後も何度も何度も姿を見せてくれました。途中、就寝したお客様もいらっしゃいましたが、早朝に再度撮影を再開されるお客様もいらっしゃり、現地宿泊の利点を生かすことができました。

14日、07:00からの朝食を待っていると下流からヤマセミが現れ、相変わらずカワガラスが採食行動していました。朝食後は08:00に出発して羅臼港に向かい2時間半ほどのクルーズを行いました。この日はどんよりとはしていましたが海況はかなり良く、デッキからはかなり遠くまで見渡すことができました。漁港内ではシノリガモ、スズガモ、ウミアイサが見られ、堤防にはシロカモメ、オオセグロカモメが群れていました。ただ、海上は海鳥の個体数が少なく、途中、着水しているカモメ、ユリカモメ、オオセグロカモメのカモメ類の群れや、群れで採食しているヒメウは見られましたがなかなかウミスズメ類に出会うことができませんでした。後半になってようやく浮上している冬羽のウトウ、そしてケイマフリに出会うことができたものの、期待していた冬羽のエトピリカや小型ウミスズメ類に出会うことはできませんでした。曇り空ながら雪を被った羅臼岳もしっかりと見られ、海況もかなり良かっただけに残念でした。その後は移動しましたが、途中にある川ではワシ類の撮影を行いました。この頃からは小雪が舞ってきましたが、オオワシが間近に止まり、川沿いにはオジロワシとオオワシが群れている木もありました。その後は漁港にも立ち寄り、漁港内にいるカモ類も撮影しました。この日はホオジロガモの群れが目立ち、ほかにもウミアイサ、シノリガモ、スズガモの姿もありました。ちょうどお昼になったことから各自昼食を購入した後は一気にこの日の宿泊地に向かいました。途中、かなり雪が降ってきて心配でしたが到着時は晴れ間も見え、到到着後は一旦お部屋に入っていただいてから、宿の庭に設置されている餌台で撮影を楽しみました。ハシブトガラ、シロハラゴジュウカラ、アカゲラはひっきりなしにやってきて楽しませてくれ、特に数羽のアカゲラのおいかけっこは見事でした。そして目的にシマエナガは昨年はなかなか見られなかったのですが、この日は僅か3時間ほどの間に3回もやってきてくれ、その姿を存分に楽しませてくれました。気が付くと気温-7℃の中、見事な夕陽が独特の色合いに染まっていました。

15日、早朝はやや雲がかかっていましたが、天候は良く気温は-12℃でした。07:00から朝食をいただきその後は再び撮影をしました。相変わらずハシブトガラ、シロハラゴジュウカラ、アカゲラはひっきりなしに餌台にやってきてくれ、付近にある川からはヤマセミの声が聞こえてきました。この日はシジュウカラ、ヒガラ、コゲラもやってきてくれ、付近の木には時折シメの群れやアトリ、マヒワの姿もあり、飛び回るノスリの姿もありました。また昨年は頻繁に姿を見せたミヤマカケスがようやく姿を見せてくれ、美しい姿を堪能できました。そして主役のシマエナガは10:00までは全く姿を見せてくれませんでしたが、それ以降12:00までに間に5回もやってきてくれ、この冬は小鳥類は不調ながらシマエナガが頻繁にやってきてくれたことは幸でした。その後は晴天と小雪が交互にやってくる中、タンチョウの姿を求めて移動しました。到着後は幸いにも見る見る天気は良くなり、まずはサンクチュアリーで撮影を行いました。ちょうど餌の時間だったことからタンチョウたちが群れ、畑地から飛んでくる群れや青空を背景に飛翔する個体なども撮影することができました。そして夕陽がタンチョウたちを橙色に染める頃からは次々に塒に飛び立って行く姿を撮影することができました。

16日、この日は我々の道東ツアーではすっかり定番となっている落石クルーズに乗船しました。このクルーズは営業運行前から様々な意味で関わってきたため思い入れが強く、またウミスズメ類を間近に撮影できるクルーズとしてはまさにオンリーワンでしょう。朝食後は落石港に向かい、到着後はライフジャケットの装着やトイレを済ませて08:30に乗船して2時間半ほどのクルーズを行いました。この日は幸にも海況はほぼベタ凪で出港後はまず漁港内にいるコオリガモ、クロガモを間近に撮影し、よく見るとなんとオオハムの姿もあったため船を近づけていただきました。外洋に出ても海上はかなり穏やかだったことからかなり遠くまで見通すことができ手すりにつかまらなくても立っていられるような状況でした。結果的には小型ウミスズメ類が見られなかったのは残念でしたが、美しいウミガラスの冬羽が3個体楽しませてくれたほか、ハシブトウミガラス、ビロードキンクロ、そしてウミバトも2個体見られ、ケイマフリも美しい冬羽個体を間近に撮影することができました。数こそ多くはなかったですがいずれの個体も警戒心が薄い個体で間近に見られたのが幸いで、最後はラッコがやってきて船上がどっと沸きました。

12月恒例となっていたWクルーズとシマフクロウツアーにシマエナガ、タンチョウ、オオワシ、オジロワシ撮影を加えてリニューアルしたフォトツアー。知床沖のクルーズが予想外に海鳥が少なかったものの、ほぼ予定通り終えることができ、シマエナガは予想以上の出現状況で幸いでした。また2羽のエゾフクロウにも出会うことができ、我々の道東ツアーでは定番となっている落石クルーズではウミバト、ウミガラス、ケイマフリ、そしてラッコも登場してくれました。写真撮影ご希望のお客様が増えているため、今後もフォトツアーを充実させてまいりますので今後もご期待ください。ご参加いただきました皆様、この度はお疲れ様でした。

石田光史

シマエナガ 撮影:麻生貞之様

 

タンチョウ 撮影:家住順美様

 

ラッコ 撮影:久永佳弘様

 

オオワシ 撮影:麻生貞之様

 

シマエナガ 撮影:家住順美様

 

シマフウロウ 撮影:久永佳弘様

 

ウミバト 撮影:麻生貞之様

 

シマエナガ 撮影:家住順美様

 

ケイマフリ 撮影:麻生貞之様

 

タンチョウ 撮影:家住順美様

 

ウミガラス 撮影:麻生貞之様

 

シメ 撮影:家住順美様

 

シマエナガ 撮影:麻生貞之様

 

シマエナガ 撮影:家住順美様

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