【ツアー報告】利根川周辺の冬の猛禽類 ２０１８年１２月５日
（写真：ハイイロチュウヒ 撮影：須崎明男様）
冬恒例の日帰りバスツアーはいよいよ最盛期を迎える冬の猛禽類たちを狙ったマイクロバス使用の少人数ツアーです。なにしろかなり細い道が続く干拓地をめぐりますので小型バスが大活躍です。今回は雨と雨のちょうど真ん中に挟まる形でツアーを催行することができましたが、前日には東京の最高気温が20℃まで上がるという状況で、この日も朝から生ぬるい風が吹いていました。天気予報は曇りのち晴れとのことでしたが、早朝の東京駅前はどんよりと曇っていました。
5日、快晴の東京駅前を予定通り08:00に出発して茨城県方面に向かいました。バス車内ではこの日に観察できそうな種についての解説を行い、あらかじめ予習をしていただきました。バスは順調に進み2時間ほどで現地に到着しました。到着後はまず各自観察機材の準備をしていただき、その後は利根川に沿うようにバスを走らせながら主にタカ類を探してみました。最初に訪れた場所ではひとまずバスを降りていただき、河川敷のヨシ原を眺めてみました。それほど風がない状況でしたが、複数のチュウヒが独特のⅤ字を描きながらゆらゆらと飛び、木に止まったミサゴがハシブトガラスに追われていました。利根川を見るとミサゴが連続してダイビングして水浴びのような行動をとり、マガモ、カルガモ、ホシハジロも飛んでいました。水田ではふいにハイタカが飛び、どこからともなくタゲリの群れがやってきました。また気が付くと電柱にはチョウゲンボウが止まり、最後には低空で飛んで小鳥に襲い掛かりました。またホオジロ、モズ、オオジュリン、タヒバリ、ヒバリの姿もありました。その後はさらに利根川沿いに走っていると、たまたま電線に止まるコチョウゲンボウのオスがいたことからバスを降りて観察する幸運がありました。やや時間が押したことからちょうどお昼になり、そのため一旦時間をとって各自昼食の時間としました。ただここでも周囲を見渡すと高木にはオオタカが止まり、杭の上ではミサゴが魚を食べ、電柱にはノスリといった具合にタカ類の姿がありました。その後はタカ類のポイントをめぐりながらバスを走らせ、途中の水田では再びタゲリの見事な群翔が見られたほか、複数のノスリの姿があり、野性化したと思われるコリンウズラの姿もあり驚かされました。その後は毎年、亜種オオヒシクイが飛来するポイントに立ち寄りました。この日は残念ながら堤防からははるか遠くに群れていましたが、なぜかいきなり群れが飛び立ち、迫力ある群翔をしばらくの間、楽しむことができました。また川ではコガモ、オナガガモ、カルガモが群れていて、カンムリカイツブリの姿もありました。その後は時間があったことからトイレ休憩をはさんで越冬しているシギ類を探してみました。それほどシギ類の姿はありませんでしたがある場所ではたった1羽ながらタカブシギが佇んでいました。そのためバスを降りて観察しているとさらにもう1羽がやってきて、さらに遠くの電線にムクドリが群れていたため見てみると1羽のホシムクドリがいました。また別の水田には2羽のタカブシギと行動を共にするエリマキシギの姿もありました。その後はホシムクドリに少々接近して再度観察してから塒入り観察のためヨシ原に向かいました。到着すると早くも数羽のチュウヒが舞い、中には枯れ木に止まっている個体もいました。幸いやや風が吹いてきたことから飛翔している個体が多く、中にはかなり間近を飛翔する個体もいました。結局ハイイロチュウヒのオスは見られませんでしたが、最後にはハイイロチュウヒのメスがやってきてしばらくの間、間近を飛翔してくれ、チュウヒは20個体以上を見ることができました。
毎年、冬恒例となっている日帰りバスツアー。今回は越冬中のヒシクイの群れが飛翔するシーンに出会うことができたほか、ホシムクドリ、タゲリ、タカブシギ、エリマキシギ、そして主役の猛禽類はチュウヒ、ハイイロチュウヒ、ハヤブサ、チョウゲンボウ、コチョウゲンボウ、オオタカ、ハイタカ、ミサゴ、ノスリと出揃ってくれました。この度はご参加いただきましてありがとうございました。
石田光史
コチョウゲンボウ 撮影：藤原寛治様
タゲリ 撮影：嶋徹様
オオヒシクイ 撮影：大坪昭允様
タカブシギ 撮影：柴田光昭様
チュウヒ 撮影：小倉彰様
チョウゲンボウ 撮影：寺田祐治様
チュウヒ 撮影：鵜飼要三様
コチョウゲンボウ 撮影：須崎明男様
チュウヒ 撮影：嶋徹様
ホシムクドリ 撮影：大坪昭允様
タゲリ 撮影：柴田光昭様
タカブシギ 撮影：小倉彰様
ミサゴ 撮影：寺田祐治様
オオヒシクイ 撮影：鵜飼要三様
エリマキシギ 撮影：須崎明男様
ハイイロチュウヒ 撮影：嶋徹様
タゲリ 撮影：大坪昭允様
チュウヒ 撮影：柴田光昭様
オオヒシクイ 撮影：小倉彰様
チュウヒ 撮影：須崎明男様
オオヒシクイ 撮影：柴田光昭様
