【ツアー報告】キクイタダキに会いたい!8月の富士山五合目 2018年8月29日

(写真:キクイタダキ 撮影:寺田祐治様)

危険レベルの暑さという聞きなれない言葉をとにかくよく聞いたこの夏。探鳥はおろか、外出もままならない今年の夏は例年に比べて国内でのバードウォッチングはやや早めに終了してしまった感がありました。ただ、そんな盛夏の時期に毎年企画しているのが亜高山帯の小鳥たちがやってくる水場で一日じっくりと待って探鳥するこのツアーです。ただ今年はとにかく台風が多く、このツアーも本来8月8日(水)を予定していましたが、台風接近のため一旦中止として全額返金し、お申込みいただいたお客様には振り替え日程をご案内して、あらためて催行することとなりました。基本的には雨でもツアーは運行しますが、今回のように台風の場合はスバルラインが通行止めになる可能性があり、また東京まで戻れたとしてもお客様が帰宅できない可能性があるためです。

29日、前々日までは東京にも晴れマークが出ていましたが、日が進むにつれて天気予報が悪くなり、当日の東京の天気予報は曇り。それもあってか早朝の東京駅前はいつ雨が落ちてきてもおかしくないようなどんよりとした曇り空でした。やや蒸し暑さもある中、予定通りにご集合いただいたことから東京駅前を08:00に出発し、バス車内ではこの日期待できる野鳥たちに関しての事前解説を行ないました。バスは順調に進み途中休憩を挟んでも2時間強で富士山五合目に到着しました。途中、相模原付近では小雨が落ちてきて心配でしたが、スバルラインを登り始める頃から見る見るうちに青空が見えはじめ、予想外の晴天になってくれました。五合目駐車場からは小道を10分ほど下って観察ポイントに到着しました。今年は残念ながら小鳥たちのさえずりが全く聞こえない状況でしたが、到着と同時に早くもルリビタキのメスがやってきて楽しませてくれました。準備が終わった頃には今度はヒガラの成鳥と幼鳥がやってきて水浴びを繰り返し、やや黄色みがある幼鳥もじっくりとその姿を見せてくれました。またこの日はコガラもよく姿を見せてくれたためヒガラとの大きさの違いや見え方の違いを確認することができました。その後はいつもならばつがいでやってくることが多いウソがメス1羽でやってきて水浴びをし、なぜか尾羽が全くないカヤクグリがノコノコ歩きながら水場に姿を見せてくれました。そしてようやく12:00に期待のキクイタダキがやってきて水場の後ろにある針葉樹に止まってくれましたが、水浴びはせず僅かな時間で飛び去ってしまいました。ただやはりこの距離感は他ではなかなか体験することはできない距離感のため、頭頂部の黄色い斑も双眼鏡があれば見られるほどでした。その後は一旦鳥の動きが止まってしまいましたが、14:00頃からは再びヒガラが頻繁に姿を見せ、珍しくウソの幼鳥が2羽でやってきてくれ、どこかあどけない雰囲気の表情を見ることもできました。そしてキクイタダキと並んで人気があるホシガラスも14:30過ぎにやってきて何度も何度も豪快に水浴びを見せてくれました。結局、常連組ではメボソムシクイの気配が全くなかったことからすでに移動しているようで、また真っ青なルリビタキのオスが見られなかったのが残念でした。

まず今回は台風接近があったことからスバルラインの通行止め、またお客様の帰宅に問題が生じることを想定し日程を振り替えました。この決定に関しましてご理解いただきありがとうございました。出発時は曇りだった空は到着時には青空に変わり、終日大きな問題なく探鳥ができ幸いでした。一度だけの僅かな時間でしたが主役のキクイタダキが見られ、人気のあるホシガラスもやってきてくれました。またヒガラ、コガラ、カヤクグリ、ルリビタキ、そして可愛らしいウソのつがい、そして普段なかなか見る機会がないウソの幼鳥も見られた一日でした。この度はご参加いただきましてありがとうございました。

石田光史

ノスリ 撮影:小林匠様

 

ホシガラス 撮影:寺田祐治様

 

ウソ 撮影:寺田祐治様

 

コガラ 撮影:寺田祐治様

 

ウソ 撮影:寺田祐治様

 

ヒガラ 撮影:寺田祐治様

 

ルリビタキ 撮影:寺田祐治様

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