【ツアー報告】絶景の立山 ライチョウの親子に会いたい! 2018年7月22日~24日

(写真:ライチョウの親子 撮影:高木信様)
今年の夏は各地で災害レベルの暑さとなり、外出もままならない状況になっています。国内のバードウォッチングに関しても夏季シーズンはほぼ終了となり、行く場所がなかなか見当たらない季節になってきました。ただ下界が猛暑になっていてもベストシーズンと言えるのが、今回訪れる亜高山帯から高山帯なのです。目的はこの時期によく姿を見せるライチョウの親子です。ただこのツアーは高山帯特有の天候の悪化を考慮して日程をやや長めの3日間としています。ただし今回は3日間共に晴れマークが並ぶ天気予報の中、出発することになりました。
22日、朝からとにかく暑い東京駅はなかなかの混雑でしたが無事に集合が完了し、ひとまず富山駅に向いました。到着後は現地集合のお客様と合流してからバスに移動して今回の宿泊地である弥陀ヶ原に向いました。途中、ちょうどお昼になることから道の駅でバスを止めて各自昼食の時間としましたが、この日はギラギラとした太陽が眩しく、次第に暑さが厳しくなってきていました。昼食後はこの暑さから逃れるようにバスを走らせ、まずは標高977mの美女平を過ぎ、標高1280mでは左手に称名滝を眺め、13:30頃には標高1930mの弥陀ヶ原に到着しました。個人で行く場合は何度かの乗り換えをしなくてはならず面倒なのですが、我々は観光バス使用のため富山駅からストレートにやってこられるのがメリットなのです。到着後は観察機材の準備を行い、使わない荷物を宿に預けてから早速ライチョウの姿を求めて室堂に向いました。途中、雪の大谷に残った3mほどの雪の壁が見られ、到着時には無数のイワツバメが乱舞して出迎えてくれました。室堂平に出ると眩しいほどの青空に見事な山々のコントラストが美しく歩いていると汗ばむほどでした。まずは今期よくライチョウの親子連れが見られているという、みくりが池に向うことにしました。足元を見るとチングルマやイワカガミが咲く中、早速愛想良くカヤクグリが現れてくれました。またみくりが池でライチョウの姿を探している間にはチョウゲンボウが何度も飛び、ハイマツからは涼しげなメボソムシクイのさえずりが聞こえました。その後、雷鳥沢方面に歩いて行くと足元で動きまわる2羽のイワヒバリがいたため、しばらく見ているとどんどん近づいてきて驚かされました。結局、この日はなかなかライチョウの姿が見つからないことから、来た道を引き返しながら探してみることにしてターミナル前まで来ると、またまた愛想の良いイワヒバリが現れたため見ていると、やや距離のあるチングルマの群生地からライチョウのメスがひょっこり顔を出していました。そのため遊歩道沿いに近づいて見てみると、なにやらこの個体は下腹部が膨らんでいました。しばらく見ていると予想通り下腹部に隠れていたヒナが出てきて可愛らしい姿を見せてくれ、やや時間オーバーして観察を終了しました。この日は18:00から夕食をいただきましたが西の空が見る見る赤くなってきたため、食後は外で夕陽を見ることにしました。この日は時間が経つにつれて見事な夕景となり、宿の従業員の方でもなかなか見られないという光景を見て1日を終えることとなりました。
23日、この日は06:00から宿周辺で探鳥予定でしたが、とにかく薄暗いうちからアカハラ、ウグイス、ホトトギス、クロジなどのさえずりが聞こえていました。そのため05:30から外に出てみなさんを待っていると周辺の木々ではウグイスやアカハラがさえずっていました。06:00以降は全員で歩きながら探鳥しましたが、独特のさえずりをするクロジの声に誘われて探してみると針葉樹のてっぺんで歌っている個体がいたことから、珍しくしっかりとその姿を見ることができたほか、遠くの梢に止まるホトトギスも見ることができました。朝食後は室堂平に向かい、まずは昨日と同じルートを歩くことにしました。この日も昨日同様に快晴の中、ライチョウを探してみると昨日見た場所の近くに早速その姿がありました。そのため遊歩道から観察しているとヒナを5羽連れたメス個体で、どうやら昨日観察した個体と同一のようでした。観察していると次第に遊歩道から離れるようにノコノコと歩いていましたが、これといって警戒する様子はありませんでした。たまたまチングルマやイワイチョウが咲く場所だったため景観が良く、しかもヒナは親鳥の背中に乗ったり周囲を歩いたりとかわいらしい姿をたくさん見せてくれる大サービスでした。その後はみくりが池まで行き、昨日とは違いみくりが池を反時計回りで歩くことにしました。見る見るうちに天候が良くなってきたことから、みくりが池や雄山の景観は見事で、足元に咲くチングルマやイワカガミ、ハクサンイチゲ、アオノツガザクラ、ヨツバシオガマ、ミヤマキンポウゲも見事で、花弁が薄いピンク色をしたタテヤマチングルマも見られました。その後はターミナル内で昼食をいただき、その後はみなさんのご意見を踏まえた上で一旦弥陀ヶ原に戻り、1時間ほどの休憩の後、現地ガイドさんの案内で弥陀ヶ原の木道を歩くことにしました。ここではテガタチドリ、ゼンテイカ、シモツケソウ、ワレモコウなどを見ながら歩き、現地の地理的なお話しも聞くことができました。奥まで進むとワタスゲやタテヤマリンドウも見られ、さえずるアカハラ、飛び交うアマツバメを見てから、残りの時間をカルデラ展望台への小道で過ごすことにしました。ここでは登り坂を歩きながらツマトリソウ、ゴゼンタチバナ、キヌガサソウ、サンカヨウ、タケシマランなどを見ることができ、ウソやヒガラ、そしてホシガラスの声を聞きながら終了しました。
24日、この日はさらに天候が良い中、同様に06:00から宿周辺を歩きました。相変わらずアカハラ、ウグイス、ホトトギスがさえずり、遠くの針葉樹の梢にはウソの姿がありました。そしてこの日も再びさえずるクロジを観察することができました。朝食後は3日連続のライチョウ観察を目差して室堂平からみくりが池方面を歩くことにしました。ただ余裕があったことから昨日、タテヤマチングルマが見られた場所まで行き、周辺に複数咲いているタテヤマチングルマを見ることにしました。そしてその後はライチョウを探してみましたが、この日は昨日まで見られた場所の反対側の斜面に同一個体と思われるライチョウの親子の姿がありました。同様にヒナを5羽連れていて最初は距離感が良かったこと、またその後は草丈が低い場所を歩いてくれたことから観察には適した状況で、かなりじっくりと観察することができました。この日の室堂は前日よりも天候が良く、結果的はこの最終日が最も美しく山々を眺めることができました。そして思い返すと結果的には3日間共にライチョウの親子の姿を見ることができたのでした。この日は11:30まで室堂に滞在し、その後は30分ほどの時間をとって立山自然保護センターでライチョウのステッカーをいただいて終了しました。
今年の立山ツアーは幸いにも3日間共に快晴となり、例年感じたことがない暑さを感じる時間帯もありました。目的だったライチョウの親子は3日間共にその姿を見せてくれ、この時期だからこその可愛らしい姿を堪能することができました。またイワヒバリ、カヤクグリ、クロジ、ウソ、アカハラといった鳥たちや咲き乱れる花々も楽しむことができました。休憩を取りながらではありましたが、終日ほぼ徒歩探鳥でお疲れだったことと思います。この度はお疲れさまでした。
石田光史