【ツアー報告】西日本屈指の渡り鳥の中継地・対馬 2018年5月11日~13日
(写真:コホオアカ 撮影:高木信様)
11日、福岡空港を発ち、対馬やまねこ空港に到着した後は公園で昼食、観察道具の準備をおこない南部ルートをまわりながら観察しました。最初のポイントではマミジロタヒバリが足元から飛び上がりますが、草丈の高いれんげ畑のなかに入り込んでしまい再発見することができません。次の探鳥地である水田にはタカブシギ、ヒバリシギ、セイタカシギなどシギ類の姿が見られましたが、個体数は少なくさびしい限りでした。その後は昨日オウチュウが見られたという場所でその姿を探しましたが見つからないので諦めて出発すると電線にオウチュウの姿が!急いで、バスを停車してその姿を探しに向かいますが、残念なことに飛び去ってしまった後でした。最後の場所ではツメナガセキレイやホオジロ類の姿を期待しますが、ここでもほとんど鳥が現れず。春の離島のツアーの幕開けとしては少しさびしい結果となってしまいました。
翌12日はホテルを発つ前にカラムクドリ出現の情報が入りましたので、予定を変更し最初にこのカラムクドリを探しに向かいます。現地では情報をくれた方が待っていてくれましたが見失ってしまっているとのこと。島が大きいので現地へ急行しても時間を要してしまうのが対馬のバードウォッチングの難しいところです。周辺をしばらく探しますがコムクドリは現れるもカラムクドリは見つかりませんでした。しかし、そろそろ次の場所へ向かおうかというタイミングで頭上を飛ぶカラムクドリを発見して、電線に降りた姿を観察することができました。カラムクドリを観察してバスに戻る途中、草やぶから2羽のホオジロ類が飛び立ちました。その1羽をすぐに再発見するとシベリアアオジで、ここでようやく春の離島らしいホオジロ類と出会うことができました。もう1羽も続けて再発見するとこちらはコホオアカでした。このコホオアカは強風の影響か、低木の枝の上でゆっくりしてくれたのでしっかりと観察することができました。離島らしい鳥が続けて現れたところで昨日外したオウチュウを狙いに向かいますがこちらは本日も現れませんでした。すでに鳥の情報が無いので午後は探し甲斐がありそうな探鳥地で探鳥すると、夏羽のツメナガセキレイ4羽(亜種ツメナガセキレイと亜種マミジロツメナガセキレイ)が現れますが、この日も鳥影はどこも少ない一日でした。
最終日は天気予報通りの悪天の中、まずは水田に向かいます。水田を歩き始めると強風も加わりひどい雨となりました。足元からタシギ属の鳥が何度も飛び出すところをみるとすこし鳥が入ってきたようですが、次なる瀬についても雨は弱まらないのでバスの中から水田を見渡してみますが、目新しい種は見つかりませんでしたが、アカガシラサギ発見の話が届いたので、祈る気持ちで急行すると、残念ながらも飛び去ってしまったといいます。しかし、飛び去った方向はつかめているというのでそのあたりを集中的に探すと、再び飛び立つ姿を確認することができました。水田の上を数回旋回したところで観察しやすい木にとまってくれたので皆でしっかりと観察することができました。アカガシラサギの出現に満足してバスに戻るとすぐにアカガシラサギを観察した付近にカラアカモズが出ているという。再びバスを降りて急いで観察に向かうと、カラアカモズに加え夏羽のツメナガセキレイ(亜種ツメナガセキレイと亜種シベリアツメナガセキレイ)も観察することができて最終日の最後になって春の離島らしい鳥たちと次々と出会うことができました。今回のツアーでも対馬野鳥の会、対馬観光協会の方々には全面的なご協力をいただき、この時期の対馬ならではの野鳥たちを観察することができました。厚く御礼を申し上げます。
田仲 謙介