【ツアー報告】初夏の八ケ岳山麓 野辺山高原と清里 2018年5月17日
(写真:オオルリ 撮影:荻島伸介様)
5月恒例の日帰りバスツアーはJR最高地点としても知られている標高1375mにある野辺山高原周辺を巡ります。日帰りバスツアーとしては東京からやや距離があるものの、標高が高いため気候も涼しく、またこの場所だからこそ見られる野鳥たちが生息しています。当日の天気予報はあまり芳しくなく曇り予報でしたが、実施には思った以上に天候は良く、やや雲がかかってはいましたが八ヶ岳を望むこともできました。
17日、予定よりもやや遅れましたが東京駅前を出発してひとまず中央道を走りました。途中にあるSAで休憩をとり、その後は現地に向かい、清里にある道の駅にて観察機材準備をしてから最初の探鳥ポイントに向かいました。ここは毎回のようにオオジシギが見られているためまずは行ってみましたが、この日は声は聞かれず代わって複数のノビタキが楽しませてくれました。どうやらもうつがいになっているようでオスとメスがほぼ同じ場所で見られました。また2羽のオオヨシキリがけたたましくさえずっていました。しばらく待ってみましたがオオジシギの気配がないことから次の場所に移動するといきなりキジのオスの姿がありました。しばらく見ていると「ケンケーン」とほろ打ちしてくれました。またどこからともなくホオアカが飛んできて杭に止まって鳴き始めたため望遠鏡を使って観察することができました。その後は周辺を徒歩にて巡り、威嚇しながら飛び回るノビタキのオス2羽、メス1羽を至近距離で観察することができ、さえずりも聞くことができました。時間がお昼を過ぎてしまったことから一旦、公園で各自昼食をとっていただきました。ここではチラッとコムクドリの姿が見られましたが、その後は気配がなくなったことからバスにて違う場所に移動して探鳥することにしました。ここでは狙い通りにコムクドリの姿を何度も見ることができ、最後は2つがいのコムクドリが道路脇を歩きながら採食する様子を観察することができました。またモズの姿があったほか、遠くからはカッコウの声が響いていました。ノビタキ、コムクドリ、ホオアカが見られたことから一旦、森に入ってみることにしました。まず川沿いのポイントにバスを止めるとオオルリのさえずりが間近に聞こえてきました。探してみるとたまたま目線ほどの高さの枝でさえずっていたことから望遠鏡を使ってじっくりとその美しい姿とさえずりをしばらくの間、楽しむことができました。その後は森を抜けて再び野辺山高原に戻り、餌台のある場所ではカラマツのてっぺんでさえずるヒガラが見られ、やや時間があったことから再びオオジシギがよく見られている場所に行ってみました。ただ、やはりこの日はオオジシギの気配はありませんでした。ただカッコウが盛んに鳴いていたことから探してみると遠くのカラマツの上で鳴いている個体を望遠鏡で観察することができました。またノビタキとオオヨシキリは相変わらず元気で、高原の風景の中に映えるノビタキ、そして元気に歌っているオオヨシキリの姿を楽しんで締めくくりました。お天気がやや心配な中でしたが、意外にも終日青空が見える中での探鳥でした。
今年の野辺山高原は残念ながらオオジシギに出会うことができませんでしたが、主役であるノビタキ、ホオアカ、コムクドリ、そしてモズ、キジ、森ではオオルリが見事なさえずりと美しい姿を見せてくれました。また幸い八ヶ岳を望むこともでき、僅かな時間ながら高原の雰囲気を楽しむことができました。ご参加いただきました皆様、ありがとうございました。
石田光史