【ツアー報告】春の渡り鳥を求めて!新潟県・粟島 2018年5月6日~8日

(写真:キマユホオジロ 撮影:小柳恵様)

新潟県村上市の沖に位置する粟島も、山形県飛島や石川県舳倉島と同じく、渡り鳥を探す定番の島のひとつとして知られるようになりました。今回はどのような出会いがあるか期待しながら、岩船港を発ちます。

粟島到着後は、宿泊する宿で昼食と小休憩を済ませてから探鳥を開始しました。例年に無く鳥の姿が少なく、特にホオジロ類の少なさが際立っていましたが、離島ならではのキマユホオジロの姿を見つけることができました。場所を移した後も、鳥は少なかったのですが、にごった声で草地から飛び出すタヒバリ類と遭遇しました。その声から「ビンズイです」と案内しながら、枝先の姿を捉えると、これが珍しいヨーロッパビンズイでした。今期の粟島では数日前にも観察されたようでしたが、この日にも観察できるとは思っておらず、嬉しい出会いとなりました。

翌7日は朝から晴天。朝食前の探鳥では一緒に行動するチュウサギとアマサギを観察します。粟島はサギ類の渡来が少ないので、この日もこの2羽のみが見られたのみで、よく目立っていました。そして、コムクドリの群れや昨日も観察したキマユホオジロも増えているようで、昨日よりもその姿が目立ち始めてきました。加えてコホオアカ、オオジュリンなど昨日は見なかったホオジロ類やツメナガセキレイなども観察しましたが、この日のハイライトとなったのはアカマシコでしょう。俗にその体色から「チャマシコ」と呼ばれる雌でしたが、私も粟島で初めて見る鳥であり、見つけた時は興奮しました。その後も観察する機会はあったのですが、天気予報どおりに降り始めた雨が次第に勢いを強めてきたので、予定よりも1時間ほど早く宿に引き上げ、この日の観察を終えることとなりました。

最終日8日の朝は昨日の午後から降り続いていた雨もおさまったので、期待がふくらみます。北部では渡ろうとするヒヨドリの群れが何回も頭上を通過するのですが、条件が良くないのかなかなか渡っていかず、引き返してきます。期待に反して、この日には多くの渡り鳥はすでに渡っていってしまったようで、一昨日、昨日と比べても、鳥の数が減ってしまっていて、シベリアアオジやコムクドリの姿もほとんど見られなくなってしまいましたが、その一方でキマユホオジロだけは、島内のいろいろな場所で、数羽から10羽前後で群れており、本当に目立つようになっていて、昨日から目立ち始めたキマユムシクイとともに、「キマユ」2種だけが目立つようになりました。そのため、途中からは「また、キマユか!」という状況になってしまいましたが、今回のように特定の種だけが際立って目立つのも、離島ならではの面白さといえるでしょう。

今春の粟島は、残念ながら渡り鳥の姿は少なめでしたが、来春にはまた違った顔ぶれの鳥たちが出迎えてくれることでしょう。どのような鳥と出会えるか期待を抱きながら、島を訪れるのはとても楽しいものです。ぜひ来春も期待を抱きながら、粟島を訪れたいと思います。ご参加いただきました皆様、どうもありがとうございました。

田仲 謙介

アカマシコ 撮影:小柳恵様

 

アカエリヒレアシシギ 撮影:小柳恵様

 

キマユホオジロ 撮影:小柳恵様

 

キマユムシクイ 撮影:小柳恵様

 

コホオアカ 撮影:小柳恵様

 

シベリアアオジ 撮影:小柳恵様

 

マミジロツメナガセキレイ 撮影:小柳恵様

 

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