【ツアー報告】早春の漁港巡り 銚子と波崎  2018年3月15日

(写真:ハジロカイツブリ 撮影:刈田宏様)

春恒例の日帰りバスツアーはカモメ類探鳥ではおそらく日本で最も有名な場所と言っても過言ではない銚子漁港と波崎港を巡ります。そろそろ冬鳥観察を終了を迎える時期ではありますが、まだまだカモメ類やカイツブリ類、カモ類はかなりの個体数が見られ、ちょうど換羽期にもあたるためさまざまな色合いの個体を観察することができます。また早春の頃は外洋が荒れることが多いためウミスズメ類やアビ類の観察例も多いのです。今年はツアー前日に各地で最高気温が20℃を超えるという初夏のような暑さになり、この日も東京の最高気温が21℃という異例の暖かさの中でのツアーとなりました。

15日、薄曇りの東京駅前をほぼ予定通りに出発して千葉県方面に向かいました。この日は移動時間が長いこともあり、途中のバス車内ではこの日見られる可能性が高いカイツブリ類とカモメ類の識別ポイントなどにつて予習しました。途中休憩を挟んで3時間弱でまずは最初のポイントに到着し、こちらで各自観察機材の準備をしていただいてから探鳥を開始しました。まずは漁港に向かいましたが、どうやらこの日はちょうど水揚げに当たったようで魚をいっぱいに積んだトラックが往来していました。やや風が出てくる中、漁港内にはカンムリカイツブリ、アカエリカイツブリ、ハジロカイツブリが揃い、スズガモ、ウミアイサ、堤防にはミツユビカモメ、岩礁にはクロサギの姿がありました。反対側ではまさに水揚げ真っ只中ということもありセグロカモメとウミネコが集まり、水面にはユリカモメの群れの姿もありました。セグロカモメを見ているとその中に背の色が濃いオオセグロカモメの姿もあり、足が橙色のセグロカモメも1個体見られ、付近にはなぜかほとんど警戒心がないハヤブサの幼鳥が佇んでいました。その後は河口に移動して再び堤防上のカモメ類を観察しましたが、間近に夏羽のハジロカイツブリが浮いていました。この堤防上にはカモメの姿が多く見られ、初列風切が灰色のワシカモメの成鳥も見られました。その後はお昼を過ぎたことから一旦昼食の時間としました。午後からはこの冬に見られているコオリガモを探しに行ってみることにしましたが、この頃からはさらに風が強まっていました。現地に到着すると風のため漁港内も波が立っていました。とりあえずスズガモの群れを探すと堤防で風を遮れる場所に群れていたことから行ってみると100羽ほどのスズガモの群れの中にオスのコオリガモが混じっていました。しばらくすると飛んでしまいましたが、たまたま良いタイミングで訪れることができたためその姿を見ることができました。その後は付近の漁港で珍しく5羽のアカエリカイツブリ、つがいで泳ぐシノリガモ、堤防付近をフワフワと飛びながら餌を探すミツユビカモメなどを見てから再び銚子漁港に戻りました。その後、別の漁港ではクロガモのオスが2羽、さらにはミミカイツブリ、そして数こそ少ないものの塊状になったハジロカイツブリが一斉に潜水と浮上を繰り返す独特の行動を観察することができ、最後は水揚げ中でカモメ類が次々にやってくるポイントでシロカモメ、ワシカモメ、そしてたまたま強風で外洋が荒れていたことからどんどん数を増してきたミツユビカモメを間近に観察することができ、最後は翼に独特のM斑があるミツユビカモメの幼鳥を観察して探鳥を終了しました。

初夏のような陽気になるという予報の1日でしたが、やはり漁港付近は風が吹くと肌寒さを感じることもありました。強風の中での探鳥、そしてたまたま水揚げ真っ只中に当たったことからカモメ類は落ち着いておらず、じっくりと観察するという点は思ったようにはなりませんでした。ただカイツブリ類4種、カモメ類8種、そしてコオリガモやシノリガモ、また普段はあまり漁港内にはいないミツユビカモメが数多く観察できたことは収穫でした。この度はご参加いただきましてありがとうございました。

石田光史

ミツユビカモメ 撮影:箕輪篤子様

 

コオリガモ 撮影:刈田宏様

 

カンムリカイツブリ 撮影:箕輪篤子様

 

ミツユビカモメ 撮影:刈田宏様

 

コオリガモ 撮影:箕輪篤子様

 

カンムリカイツブリ 撮影:刈田宏様

 

ミツユビカモメ 撮影:箕輪篤子様

 

ハヤブサ 撮影:刈田宏様

 

ハジロカイツブリ 撮影:箕輪篤子様

 

ミツユビカモメ 撮影:刈田宏様

 

シノリガモ 撮影:箕輪篤子様

 

アカエリカイツブリ 撮影:刈田宏様

 

ヒメウ 撮影:箕輪篤子様

 

ミツユビカモメ 撮影:刈田宏様

 

ヒメウ 撮影:刈田宏様

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