【ツアー報告】ヤドリギに群れるレンジャクに会いたい! 2018年2月28日

(写真:ヒレンジャク 撮影:坂東俊輝様)

毎冬毎冬、安定的には渡来しない冬鳥には我々も頭が痛いところではありますが、それでも会いたいと思うのがバードウォッチャーなのです。ただし幸いなことに、この冬に関しては晩秋の頃から北海道内各所でレンジャクをはじめ、イスカやユキホオジロの目撃情報がもたらされていたことから良い雰囲気を感じていました。そして昨年11月に北海道を訪れた際に実際にレンジャク類の群れを観察したことからより手ごたえをつかんだ状態でツアー企画することができました。ただ北海道内でレンジャク類が見られたことがその後、関東圏で確実にレンジャク類に出会える保証にはならないことも事実です。

28日、西から天気が崩れてくる予報の中でしたが、この日はギリギリ天候はもつとのことで早朝の東京駅前は快晴でした。ほぼ予定通り東京駅前を08:00に出発して群馬県に向かいました。今回の日帰りバスツアーは数ある日帰りバスツアーの中でもやや移動距離が長いことから途中休憩を挟んで2時間半ほどで最初の目的地に到着しました。到着後は各自観察機材の準備をしていただき、早速観察を開始しました。駐車場から僅かな場所でいきなり数羽のヒレンジャクの姿を見ることができ、ヤドリギの実を食べる様子や高い木に止まっている姿などをじっくりと観察するこができました。また公園の奥ではじっと木に止まって時折さえずったりしているイカルの姿も見ることができました。ほかにも地上に降りて小群で採食しているシメはより鮮やかな模様に変わりつつあり、シジュウカラ、エナガといった当地の主役たちも出揃ってくれました。その後は一旦駐車場まで戻って各自昼食としましたが、この頃にもヒレンジャクの群れが見られ、池に降りて水を飲んだり、ヤドリギの実を食べた後に見られる粘り気の強い糞をする様子なども観察することができました。昼食後は1時間ほど移動してやや標高の高い場所に移動しました。ここでも半月前に訪れた際にはかなりの数のレンジャク類が見られましたが、この日は残念ながらその姿はありませんでした。ただ地上を歩きながら採食しているアトリの群れが見られ、中にはすっかり夏羽に換羽した個体もいて、頭の黒色と胸の橙色のコントラストが美しく見えました。また杉の木にはマヒワの小群れの姿もあり、黄色みが強く頭に黒いベレー帽を被ったようなオス個体が青空を背景に美しく見えました。ほかにも小春日和に誘われてかヒガラやゴジュウカラがさえずり、シジュウカラ、ヤマガラ、コガラの姿も見られました。そしてやや時間があったことから最後に平地の公園に立ち寄ってみることにしました。ここではまず当地でよくその姿を見るアオゲラを観察することができ、その後はシロハラ、カシラダカ、そして20羽ほどのアトリの群れに再度出会うことができ、最後は数羽のミヤマホオジロの姿を楽しんでツアーを終えることができました。本来、群馬県の各探鳥地は風が強く、非常に寒い印象が強いのですが、この日は終日穏やかな中で探鳥することができ幸いでした。

昨年はレンジャク類の飛来情報が全くない中で当地を訪れる状況の中、幸い数羽のヒレンジャクに出会うことができましたが、今回は早い段階で関東各地でレンジャク類の飛来情報がある中でのツアー催行でした。もちろん飛来情報があることで確実にレンジャク類に出会えるわけではありませんが、今回は幸い数は少ないながらもヒレンジャクに出会うことができました。またほかにもイカル、シメ、アトリ、マヒワ、コガラ、ゴジュウカラ、ミヤマホオジロなどにも出会うことができた1日でした。ご参加いただきました皆様、お疲れ様でした。

石田光史

ヒレンジャク 撮影:稲田貢様

 

コガラ 撮影:刈田宏様

 

キクイタダキ 撮影:坂東俊輝様

 

カワラヒワ 撮影:稲田貢様

 

ヒレンジャク 撮影:刈田宏様

 

アオゲラ 撮影:坂東俊輝様

 

イカル 撮影:稲田貢様

 

ミヤマホオジロ 撮影:刈田宏様

シメ 撮影:坂東俊輝様

 

ミヤマホオジロ 撮影:稲田貢様

 

アトリ 撮影:刈田宏様

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