【ツアー報告】渡良瀬遊水地と城沼・多々良沼(追加設定) 2017年12月26日

(写真:ベニマシコ 撮影:山口勝業様)

年末恒例となっている渡良瀬遊水地周辺を巡る日帰りバスツアー。おかげさまで今年も追加設定となり19日に続いて訪れることになりました。このツアーは観察ポイントが狭い範囲に集中していることから1日で4カ所を巡れるため毎回観察種が多いことが特長と言えるでしょう。強風が吹き荒れてとにかく寒いことばかりが印象に残っていますが、この日も幸い天気予報は問題なく出発することができました。

 26日、快晴の東京駅前を予定通りに出発して群馬県方面に向かいました。比較的探鳥地までが近いツアーですが、バス車内ではこの日に期待できる鳥たちの解説を行いました。到着後は観察機材の準備をしていただいてから最初のポイントに向かいました。今回もカモ類の数の少なさが目立ちましたがまずはジョウビタキのオスが姿を見せてくれ、10羽でまとまって休んでいるハマシギの群れが見られました。また寝ているマガモの群れの中に1羽のアオアシシギが見られました。またどこからともなくトウネンの群れがやってきてくれました。そして前回見られたツルシギの群れは対岸の浅瀬で採食していました。ただそのうちの1羽が比較的近い場所に来てくれたことから足の色や嘴の色を確認することができました。湖面には多数のカンムリカイツブリの姿があり、少数ながらミコアイサも見ることができました。その後は枯れ木に止まっているオオタカ、隣にある池ではオオハクチョウ、コハクチョウが見られました。次のポイントでは同様にカモ類を中心に観察し、新たにホシハジロ、オカヨシガモ、コガモなどが見られました。そしてその後は渡良瀬遊水地に向かって移動しましたが途中では前回に引き続いてミヤマガラスを探しました。毎回訪れている場所をバスで移動しながら探してみましたが、この日はどうしたことかミヤマガラスの群れはなかなか見つからず、時間いっぱい走り回りましたが結局見つけることができず、一旦近くの公園で昼食の時間としました。この公園の池もカモ類が豊富で芝生を歩きながら草を食べるヒドリガモの群れ、湖面にはコガモの姿も多数見られました。また公園内ではエナガの群れが賑やかに飛び回り、付近ではシジュウカラやメジロの姿もありました。昼食後はもう一度ポイントをめぐることにし、幸いミヤマガラスの群れに出会うことはできましたが、残念ながらコクマルガラスの姿はありませんでした。時間がやや押してしまいましたがその後は渡良瀬遊水地に向かい、まずは公園内を歩いて探鳥しました。まずはアキニレの木に見れるシメの群れが見られ、時折地面に降りて必死に採食していました。池が一望できるポイントではやはり同様にカモ類は少なかったですが、カンムリカイツブリ、ミコアイサの姿があり、たまたま風が出てきたことからチュウヒが風に乗って舞っていました。戻る途中ではようやくベニマシコの声が聞えたため探してみるとメスが草の実をついばんでいました。またさらに進んだ場所では真っ赤なベニマシコのオスがセイタカアワダチソウの種子をついばんでいる所をじっくりと観察することができました。そして最後は恒例のタカ類の塒入りを見に向かいました。風が出てきたことからチュウヒが風に乗るかのように舞い、どこからか飛んできたコチョウゲンボウのオスが遠くの木の梢に止まりました。また主役のハイイロチュウヒのオスは姿を見せてはくれましたが、近くを飛ぶことはなく距離がある中での探鳥となり残念でした。ただ最後は薄暗くなる中で78羽のチュウヒが一斉に舞い始めて圧巻の風景を醸し出してくれました。

 毎回、強風に悩まされる渡良瀬遊水地ですが、今回も夕方を除けば穏やかな陽気の中でのツアーとなり幸いでした。カモ類が少ないことは心配でしたが反面、ハマシギ、トウネン、アオアシシギ、ツルシギ、コチドリといったシギチドリ類が見られました。またコクマルガラスには出会えませんでしたが、ミヤマガラスの群れのほか、ノスリ、チュウヒ、コチョウゲンボウ、ハイイロチュウヒといった猛禽類は健在で楽しませてくれました。みなさまお疲れ様でした。

石田光史

チュウヒ 撮影:山口勝業様

 

カンムリカイツブリ 撮影:山口勝業様

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