【ツアー報告】アオシギに会いたい!奥日光ハイキング(追加設定) 2017年11月14日
(写真:キバシリ 撮影:中島充雄様)
夏から秋にかけては日帰りで観察が楽しめる場所がなかなかないため日帰りバスツアーもそれほど多く企画していませんが、いよいよ日帰りでも野鳥たちを十分楽しめるシーズンがやってきました。そのスタートを飾るのが恒例の奥日光です。この時期は紅葉のシーズンも終わり、奥日光もひっそりとした季節を迎えるため渋滞もなく、東京からは遠いものの比較的スムーズな移動が可能です。主役になるのは冬になっても平地にやってこないキバシリやゴジュウカラ、コガラ、カワガラスなどで、ここ数年、安定的に観察できているアオシギもその代表種のためアオシギ探しを軸に運行することにしています。
14日、東京から探鳥地までが遠いことから集合時間を07:30に設定していますが、この日はご集合が早めに完了したことから07:25に出発しました。天気予報は曇りとのことで東京駅前もどんよりとしていましたが、東北道を走るにつれて空は明るくなり宇都宮を過ぎる頃からは青空も見えていました。移動中のバス車内では時間があったことからこの日に期待される種の解説を行ない、あらかじめ予習をしていただきました。
バスは順調に進み、ほぼ予定通りに奥日光に到着しましたが、いろは坂を登り終えた頃からは残念ながら予報通り曇り空となってしまいました。探鳥時間が限られていることからまずはこのツアーの主役であるアオシギの観察例が最も多いポイントに向かいました。駐車場では早くもゴジュウカラ、コガラ、ヒガラの姿があり、同じコースを何回も往復するように飛んでいたことから貯食行動をしているようでした。遊歩道に入る直前にもカラマツにやってきているコガラが見られ、遊歩道では付近を流れる川沿いを丹念に見ながら進みました。その途中ではカケスやカワガラス、「チョッ、チョッ」と元気よく鳴いているミソサザイといった種が姿を見せてくれましたが、残念ながらここではアオシギに出会うことはできませんでした。小雨が降り始める中、一旦バスに戻って各自昼食とし、午後からは過去にアオシギが見られている別のポイントに向かいました。ここでも川沿いに歩きながらアオシギの姿を探しましたが出会うことができず、代わって現れてくれたゴジュウカラ、コガラ、ヒガラ、エナガ、コゲラの混群が賑やかに楽しませてくれ、付近にたまたまいたオオアカゲラが木の幹をしつこくつつく様子も観察することができました。またカラマツに群れる5羽ほどのアトリの姿があったため望遠鏡を使って観察することができ、さらには奥日光の森を代表する鳥であるキバシリも現れ、幹を登っては低い場所に飛び移り、また登っては低い場所に飛ぶ移りといったキバシリ特有の行動も見ることができました。その後はやや雨が強まる中で湯ノ湖畔に向かい、僅かな時間ながらアオシギの姿を探し、最後はもう一度最初に行った場所を歩いてみました。森の中はすでに薄暗くなってきていましたがまだまだ視界があることからアオシギの姿を探しましたが残念ながらその姿を見ることはできませんでした。ただ愛想の良いカワガラスが2羽で倒木に止まり、最後の最後でじっくりとその姿を見くれました。
今年の奥日光は結果的にはアオシギに出会うことができず残念でした。また天気予報が悪いほうに外れてしまい思わぬ雨の中での探鳥となってしまいました。ただこのツアーの定番種であるキバシリ、ゴジュウカラ、コガラ、カワガラスといった種は雨の中でもその姿を見せてくれ、コゲラ、アカゲラ、オオアカゲラといったキツツキ類、また冬鳥のアトリの姿も見ることができました。思わぬ雨もあってややご苦労がある中でのハイキングとなってしまいました。皆様お疲れ様でした。
石田光史