【ツアー報告】キクイタダキに会いたい!8月の富士山五合目 2017年8月2日
(写真:ウソ 撮影:稲田貢様)
いよいよ8月となり、国内派バードウォッチャーにとっては行く場所はなかなか見つからず、まさに夏休みといったところでしょう。そんな中でもなんとか鳥たちが楽しめるのが亜高山帯から高山帯です。今回も涼しい富士山五合目の水場で鳥たちを楽しみます。ただ先週発生した台風5号がまだうろうろしているため、真夏の日差しは昨日からなく、意外なほど涼しい中での出発となりました。
2日、予定よりも5分ほど早い07:55にどんよりとした空模様の東京駅前を出発。天気予報では現地は曇りで午後からは晴れとなっていました。途中にあるサービスエリアまでの間はバス車内にてこの日に見られる可能性がある鳥についての解説を行いました。天候が回復してくると思っていましたが、サービスエリアまでの間は霧雨でサービスエリア到着時もはっきりしない状況でした。その後、富士山五合目までの道のりは曇りと霧、そして残念ながら小雨模様になってしまいました。到着後は機材ほか、必要なものもって歩き始め、坂を下って現地に向かいました。小雨が降ってはいましたが途中の針葉樹林からはルリビタキ、メボソムシクイのさえずりが聞こえていました。小雨を避けるようにこの日は軒下から観察することにして準備をしましたが、やはり水場にやってくる鳥はいないようで閑散としていました。ただ待っているとキクイタダキ、ヒガラ、そして間近にメボソムシクイの声が聞こえました。ただやはり水場にやってくる鳥はいないため少々早く昼食などをとって過ごしました。午後になると雨は止み、周囲は明るくなってきました。すると駐車場付近の地面を歩きながら餌を探すルリビタキのメスが現れ、カヤクグリの姿を見られたお客様もいらっしゃいました。またようやく水場にメボソムシクイがやってきてその姿を見せてくれました。その後も少ないながらウソのオスが水場にやってきて豪快な水浴びを見せてくれたほか、後半はルリビタキが頻繁にやってきてその姿を見せてくれました。また周辺ではホシガラス、アマツバメの姿を見られたお客様もいらっしゃいました。水場にやってきたルリビタキは一度水浴びを終えると周辺の木に止まって羽繕いをして、再び水浴びをするという行動を繰り返し、たった1度ではありますが、オス個体もやってきました。ただ15:00頃からは再び霧雨模様となり、帰り間際には小雨になっていました。結局この日は目的だったキクイタダキに出会うことができず残念でした。
今回は下界でも真夏の暑さを感じることがない陽気で、現地でも終日フリースジャケットが手放せない状況でした。前日が雨、そして当日も霧雨や小雨ということで水場は閑散としていました。ただメボソムシクイ、ウソ、ルリビタキは姿を見せてくれ、周辺ではアマツバメ、ホシガラス、カヤクグリも見られました。キクイタダキの姿を間近に見る機会はなかなかないためぜひ見たかったので残念でした。またの機会にチャレンジしていただけましたら幸いです。皆様お疲れ様でした。
石田光史