【ツアー報告】フォトツアー夏の北海道 花と鳥のコラボレーションを撮る! 2017年6月30日~7月3日

(写真:オオジュリン 撮影:大坪昭允様)

野鳥の撮影を希望されるお客様が増えているため、まずは冬の道東にてフォトツアーを企画し大好評を得ることができました。そのため花々が咲き乱れる夏の北海道でも同様にフォトツアーを新たに企画しました。通常のツアーではなるべく多くの探鳥地を巡れるよう行程を決めていますが、このフォトツアーでは野鳥の撮影がしやすいポイントを絞り込み、長時間滞在が可能なゆったり行程にしています。また臨機応変な行動が可能になるよう、昼食は途中にあるコンビニなどで各自ご購入いただくスタイルにし、バス席をお一人2席ご利用いただけるようにして機材置き場も確保しています。そして何といっても少人数10名様限定、さらに今回は3日目午後の行程を決めず、現地ガイドからの情報で最終決定するというお楽しみも加えました。

 30日、飛行機は順調に飛び、ほぼ予定通りに空港に到着しました。東京はこの日、朝から非常に暑く、羽田空港でもかなりの蒸し暑さを感じましたが、さすがに道北は涼しく心地よい風が流れていました。この日はまず原生花園で撮影を行いました。穏やかな晴天の中、まずは子育て中と思われるノビタキのつがいが現れてしばらくの間、間近にその姿を楽しませてくれ、付近では複数のオオジュリンがさえずっていました。オオジュリンは警戒心が薄いのか、体を反らせて歌う姿をじっくりと撮影させてくれました。ほかにもいくつかのソングポストで歌うノゴマの姿や、ホオアカ、ベニマシコなどを撮影することができました。また飛翔するクロハラアジサシの姿も見られました。その後は別の原生花園に立よりました。ここでは幸いにもツメナガセキレイの姿があり、しばらくの間じっくりと撮影することができました。各地で個体数が減っている鳥で、期待していたポイントがあまり良い条件でないことからラッキーでした。ほかにもオオジュリン、シマセンニュウ、ノゴマなどを撮影することができました。

 71日、この日はマキノセンニュウを狙って04:30に出発して原生花園に向かいました。天気予報ではこれから天気は下り坂とのことでしたが幸い薄曇りといった天候で、徐々に晴れ間がでてきていました。到着後は再集合時間を決めて約2時間ほどの自由行動としました。早速ツメナガセキレイが出迎えてくれ、オオジュリン、ノゴマ、シマセンニュウ、ベニマシコ、コヨシキリなどそれぞれが狙いの鳥のなわばり付近で待って撮影を楽しみました。マキノセンニュウは思ったほどその声を聞くことができず、撮影された方は僅かでした。一旦朝食のためにホテルに戻った後は、また別の原生花園に向かいました。ここは目線よりも低い位置にハマナスやセンダイハギが咲き、僅かながらエゾカンゾウの花も見られました。ここでは特にベニマシコが見やすいことからポイントで待ってみました。周囲ではつがいと思われるベニマシコの姿があり、逆光ながらさえずる真っ赤なオス個体も見られました。ほかにも間近にオオジュリンが歌い、ノゴマの姿もありました。ただ残念ながら1時間ほど経ったあたりで雨が激しくなり一時待機となりました。ただ雨が止む気配がないこと、また道北方面に雨の予報が出ていないことから予定を繰り上げて次のポイントに移動することにしました。2時間ほどの移動時間では天気が刻々と変わり、途中ではかなり激しい雨が降っていました。ただ北に向かうにつれて雨は止んでいて空が明るくなってきました。この場所では1時間ほどの時間をとって原生花園内を歩き、コヨシキリ、オオジュリン、ノゴマなどを撮影しましたが思いのほか鳥の数は少なく、期待されたツメナガセキレイの姿もありませんでした。翌日の道北の天気予報が悪いことなどを考慮してやや早いもののその後は道北の原生花園に向かうことにしました。ここでは早速シマアオジが見られているポイントに行き、しばらくの間待ってみることにしました。ただこの日はやや風があり、非常に寒く、時より霧が漂う中だったためかシマアオジの声は少なく、その姿を見ることはできたものの撮影チャンスはありませんでした。

 2日、深夜に激しい雨音がしていたものの早朝には雨はほとんど気にならない程度になっていました。予定では04:30出発を予定していましたが、明るさを考慮して05:00に出発して原生花園に向かいました。霧雨のような状況でしたがシマアオジは同時に2個体が見られるなど、その姿を何度も見せてくれ、その歌声を楽しむこともできましたがやはりなかなか撮影チャンスは訪れませんでした。ただ帰り間際にようやく間近にその姿を見る機会が訪れ、撮影も叶いました。一旦朝食のために宿に戻り、その後は再び原生花園に向かい、朝に間近にシマアオジが見られた場所に向かいました。天気はどんどん回復してくる中でノビタキ、ツメナガセキレイ、ノゴマ、ホオアカなどが見られ、オオジシギのディスプレイフライトも活発になっていました。すると狙い通りにシマアオジのオス個体がやってきて僅かな時間ながら数mの距離でその姿を見せてくれる幸運があり、ようやく撮影することができました。やや時間がオーバーしましたがその後は一気にこの日の宿泊地を目指しました。ただこのツアーではあらかじめこの日の午後の予定を決めておらず、旭川在住の現地ガイドの直前情報で決定することにしていました。その結果、今年は各所でチゴハヤブサが見られているとのことでまずは付近の神社に向かいました。現地では幸い樹上に佇むチゴハヤブサの姿が見られたほか、上空をゆっくりと旋回する2羽のハリオアマツバメの姿を見ることができました。また次に訪れた神社でも突然出現して高木に止まったチゴハヤブサの姿をじっくりと撮影することができました。

 3日、天気予報が良い方向に変わり、やや安心して早朝を迎えましたが残念ながら霧雨と霧という状況でした。ただひとまず予定通り旭岳ロープウェイに向かいました。到着するまでの30分ほどの間も霧は深くなる一方で到着地でも視界はほとんどなく気が重くなりました。ただ姿見駅付近は視界良好だと告げられロープウェイに乗車しました。出発時は視界が良好とは全く思えませんでしたが、進むにつれて霧は晴れ、青空が見えてきました。そして到着した姿見駅は快晴で暑さすら感じるほどになっていました。早速第3展望台に向かいひとまず11:00まで観察することにしました。待っている間にもどんどん晴れ間が広がってきて気が付くと風景は一変していました。最初の1時間ほどは全く気配がなかったですが08:00頃を境にギンザンマシコの動きが活発になったようで美しい真っ赤なオス個体と若草色のメス個体のつがいが頻繁に現れるようになりました。時には間近のハイマツからひょっこりとその姿を現したり、遠くのハイマツ上でさえずったり楽しませてくれ、ほかにもノゴマが看板上でさえずったり、カヤクグリが現れたり、そしてシマリスも盛り上げてくれました。結局10:30頃まで撮影を続ける中でかなり近い場所に2度現れてくれたことから撮影することができました。

 デジタルカメラの普及に伴い、野鳥の撮影を楽しまれるお客様が増えてきました。そのため通常のツアーとは異なる「フォトツアー」を企画し始めました。昨冬に初企画した「フォトツアー冬の道東巡り」が順調に滑り出したのに伴い、夏の北海道でもフォトツアーを新規に企画しました。その第一回目となった今回はお天気に悩まされることもありましたが、シマアオジ、ギンザンマシコ、ツメナガセキレイ、ノゴマなどを撮影することができ、現地ガイド同行の利点を活かしてチゴハヤブサやハリオアマツバメの撮影もできました。今後もフォトツアーを充実させて参りますのでお楽しみに。この度はお疲れさまでした。

 石田光史

チゴハヤブサ 撮影:箕輪篤子様

 

シマアオジ 撮影:大坪昭允様

 

ギンザンマシコ 撮影:箕輪篤子様

 

ツメナガセキレイ 撮影:大坪昭允様

 

ギンザンマシコ 撮影:箕輪篤子様

 

ノビタキ 撮影:大坪昭允様

 

シマセンニュウ 撮影:箕輪篤子様

 

ギンザンマシコ 撮影:大坪昭允様

 

オオジュリン 撮影:箕輪篤子様

 

チゴハヤブサ 撮影:大坪昭允様

 

ツメナガセキレイ 撮影:箕輪篤子様

 

ノゴマ 撮影:大坪昭允様

 

シマアオジ 撮影:箕輪篤子様

 

コヨシキリ 撮影:大坪昭允様

 

ノビタキ 撮影:箕輪篤子様

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