【ツアー報告】沖縄やんばるの森の固有種たち 2017年6月11日~13日
(写真:リュウキュウアカショウビン 撮影:柴山勝様)
11日、11:35 羽田空港、伊丹空港、那覇集合のお客様と合流。30℃を越えている真夏の沖縄である。ひとまずの海を見ながら昼食を食べ、その後は北上する。14:15 遠くの岩礁にエリグロアジサシ2羽がいるが遠くてはっきりしない。さらに北上して「やんばる」に入る。「やんばる」とは漢字で「山原」と書き、通称でありそのような名の地名は無く、沖縄本島北部一帯を示し、亜熱帯の豊かな森が広がる地域である。15:30 から林道を歩く。直ぐ近くでリュウキュウアカショウビンが大声で鳴くが残念ながら姿は見えない。16:30 からは林道を専用車でゆっくりと走って奥までへ行く、かなりの数のホントウアカヒゲが道路の脇で餌を採るが直ぐに飛び立ち、ノグチゲラも2回程道路脇の木にとまるがいずれもじっくりと観察までには至らない。17:40 最近、よく見られる畑のポイントに行くとヤンバルクイナの成鳥ペアが餌を採っていた。のんびりと警戒心も無く採餌に夢中なので皆さんでじっくりと観察、撮影する。18:35 やんばるの山の中のホテルに到着。ヤンバルクイナの話題で美味しい夕食となる。
12日、一晩中、激しい雷と横殴りの雨だったが、朝5:45、今にも降り出しそうだが曇っている。専用車でゆっくりとポイントへ向かうと、小型犬のような動物が走って来る。リュウキュウイノシシの幼獣・ウリ坊だ。親からはぐれたのか1頭でうろうろしている。さらに進むと、畑で餌を採るヤンバルクイナの幼鳥2羽を発見。皆さんでじっくりと観察、撮影する。さらに別の場所でもヤンバルクイナの幼鳥2羽を発見。ここの個体は孵化したて親が給餌をしていた時から知っているので大きくなった姿が嬉しい。さらに移動すると道路の脇の木で鳴くホントウアカヒゲの雄を発見して全員で観察、撮影。するとリュウキュウアカショウビンが大声で鳴きながら飛来して近くの木にとまる。しかし、枝でちょうど顔が隠れていて嘴と体しか見えないので皆さんで悔しがる。ノグチゲラの声を何度が聞くが、姿は見えない。8:20 朝食。9:15 別の林道に入る。あちこちでホントウアカヒゲが道路の脇で餌を採ったり、ガードレールにとまって鳴いたりしている。するとノグチゲラが近くで鳴く。慌てて車から降りて探すが、藪の奥でどうやっても見えない。リュウキュウサンコウチョウが道路を行ったり来たりするが、こちらもじっくりとは見えない。奥の林道へ行き、毎年、この時期にノグチゲラの幼鳥が食べにくる木の実がある場所に行くと、大当たり。成鳥に連れられた幼鳥が2羽がキュルキュル鳴きながら木の実を食べている。そして、頭の赤い幼鳥が丸見えの枯れ木を登りだしたところを全員でじっくりと観察、撮影する。これでやんばる3点セットをコンプリートである。車に乗って移動しようとすると、これを待っていてくれたかのような激しい落雷と豪雨である。外にいたら間違えなく全身ずぶ濡れの危機一髪だったのだ。13:00遅い昼食。雨雲レーダーを見ると南の方が雨が弱いようなので南下する。15:00 水田に到着するとほとんど雨が降っていない。雨上がりのせいかシロハラクイナがあちこちで羽づくろいをしている。シロガシラ、シマキンパラ、イソヒヨドリ、バンなどを観察、撮影していると畑で餌を採るホシムクドリを発見。冬は何百羽という群れが来たりするが繁殖期にはあまり見ない。さらにシロハラクイナを皆さんで観察、撮影して、17:30 ホテルに到着。すると、再び、激しい落雷と豪雨である。
13日、04:55 時々、バケツをひっくり返したような豪雨の中を出発。05:50 やんばるに到着するが前が見えないほどの土砂降りとなり観察が困難となり、大雨洪水雷警報が発令。そこで、早々にやんばるの鳥は諦めて水辺や耕作地の鳥見に切り替える。08:00 鏡地の耕作地をゆっくり走ると、リュウキュウヒクイナが2羽で追いかけっこをしてイグサから出て来た。さらに別の場所では雨の中でのんびりと羽づくろいをするので、全員でじっくりと観察、撮影。10:30 再び、金武へ行き耕作地をゆっくり走る。トイレ休憩をしていると防風林でリュウキュウアカショウビンの声がする。近くへ行き探すとモクマオウにとまって囀るリュウキュウアカショウビンを発見して皆さんで観察、撮影。12:15 昼食、12:45にさらに南下してする。雨が小降りになる中、岩礁で求愛行動をするエリグロアジサシのペアを皆さんでじっくりと観察、撮影する。巣材をくわえた白いクロサギが岩礁のくぼみに入る。そして、その後、干潟や池などをみてから那覇空港へと向かったのである。ツアー後半はほとんど土砂降りという悪天候の中「やんばる3点セット」とリュウキュウアカショウビンを堪能したツアーとなりました。皆さまお疲れ様でした。
宮島 仁