【ツアー報告】初夏の八ヶ岳山麓 野辺山高原と清里 2017年5月17日

(写真:キビタキ)

初夏の高原に生息する野鳥たちを楽しむ恒例の日帰りバスツアーは、標高1500mほどある八ヶ岳山麓の野辺山高原を訪れます。1日の気温差が大きいことから高原野菜の産地としても知られ、広大な畑地が広がる、これぞ高原といった景色が広がる探鳥地です。今回は事前の天気予報はまずまずでしたが前日の天気予報では午後からにわか雨の可能性があるとのことでした。そのため終日八ヶ岳を望むことができず残念でした。

 17日、集合、出発予定は08:00でしたが、早めにご集合が完了したことから07:55に東京駅前を出発しました。天気はどんよりとした曇り空でしたが時より薄日が射していました。この日は朝から少々の渋滞が各所に出ておりましたが、予定通りの行程で出発しました。ただ工事等がからんで順調には進まず、結局予定よりも40分ほど遅れて現地に到着しました。バス車内ではこの時間を利用して、今日見られる確率の高い鳥の生態や特徴などを解説しました。またこの日はスワロフスキーの塚本英夫さんにご同行いただき、現在国内にたった1台しかない新型双眼望遠鏡BTXのほか、レンタル用双眼鏡を7台ご持参いただきましたので光学機器の解説をしていただきました。国道141号沿いにある道の駅で観察機材の準備をした後は早速、野辺山高原内にあるポイントに向かいました。ここは毎年のようにオオジシギが見られている場所で、その声が聞えないかと期待しましたがこの日はその声を聞くことはありませんでした。ただ愛嬌あるノビタキのつがいが現れ、その姿をしばらく楽しませてくれたほか、遠くのカラマツの上で鳴くカッコウが見られ、草地からはキジ、上空からはヒバリの声が響いていました。その後は昼食も兼ねて公園に向かいました。到着後は各自昼食とし、その後は公園内で探鳥しました。同様にカッコウの声が響く中、雑木林からはキビタキの声が聞こえていました。そのため探してみると美しいオス個体が見やすい横枝に止まっていました。そのため望遠鏡を使ってじっくり観察することができたほか、近くにいたメス個体も見ることができました。また公園内では狙った通りにコムクドリの姿があり、複数のつがいがカラマツに止まって採食する行動を観察することができました。また付近ではオオヨシキリ、アオジ、カワラヒワの姿も見ることができました。その後はホオアカがよく見られているポイントに移動して周辺を探してみました。到着すると早速ノビタキが複数飛び回って楽しませてくれたため観察していると地上から2羽のホオアカが飛び立ちました。するとようやくオス個体が低木でさえずり望遠鏡で観察しましたが、僅かな時間で飛び去ってしまいました。この頃には風が冷たく肌寒かったためさえずりも元気がないように感じました。その後は再びオオジシギのポイントに移動して再度探してみることにしました。午前中同様にノビタキがやってきて楽しませてくれたほか、ホオジロやアオジがさえずり、遠くの枯れ木にはノスリが止まっていましたが、やはりオオジシギの声は聞こえませんでした。そのため一つ隣の畑に行ってみると草地から突然、オオジシギが飛び立ちました。ただすぐに飛び去ってしまったため観察することはできませんでした。この頃になるとかなり空が暗くなってきましたが最後にもう一か所行ってみることにしました。途中の針葉樹林ではミソサザイが鳴き、ヒガラ、ビンズイも歌っていました。現地では餌台にやってきているカワラヒワ、ゴジュウカラ、コガラ、シジュウカラなどが見られ、ふと見上げるとイワツバメ、アマツバメが乱舞していました。そしてこの頃からは雨が降ってきてしまいちょうど時間になったことから荷物整理をして出発しました。

 今回は天気予報が今一つで残念でしたが予想よりも雨の降り出しが遅れたことから、最後の最後でやや小雨が降った程度で助かりました。オオジシギは残念でしたが、主役のノビタキは可愛らしい姿を何度も見せてくれ、コムクドリ、ホオアカ、カッコウ、キビタキ、ゴジュウカラなど、種類数は少ないながらも高原の野鳥たちを楽しむことができました。また今回はスワロフスキーBTXを使って観察ができたことから、普段味わうことがない新鮮な視界で野鳥たちを楽しむことができ各所で歓声が上がっていたことも印象的でした。皆様お疲れ様でした。

石田光史

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