【ツアー報告】春の水郷巡り 夏羽のシギを探そう! 2017年4月27日

(写真:オオハシシギ)

前日に引き続き催行となった春の水郷巡り。天気予報通り前日夜から雨が降り始め、早朝には止むとのことでしたが東京駅前はちょうど雨が強くなっていました。ただ、集合時間の頃にはちょうど雨が止み、霧雨のような状況になっていました。天気予報はこの後、曇りから晴れになるとのことでひとまず安心して出発することができました。

27日、この日も予定通り08:00に東京駅前を出発し、休憩を挟んでも2時間強で最初の探鳥地に到着しました。まずは各自観察機材の準備をしていただき出発とし、周辺にあるいくつかのポイントを巡ってみました。最初は休耕田に佇むタカブシギ、せっせと餌を探すイソシギが見られ、草むらにはいくつかのムナグロの姿がありました。すぐお隣の畑地にもムナグロの姿があり、どうやら個体数が増えているような印象を受けました。周辺の畑地にかなりの数のムナグロがいたことから一旦バスを降りて観察することにしました。前日同様、さまざまな姿の個体が見られる中、かなりの数のキョウジョシギが混じっていることがわかり、さらにその中に混じる1羽のエリマキシギの姿がありました。ただどうやらメスらしく美しい羽色ではありませんでした。観察しているとオオタカがやってきたため群れは一斉に飛び立ち、我々の周囲を飛翔したかと思うとすぐ間近に降り立ちました。丁寧に探してみるとその中には夏羽のウズラシギの姿がありました。その後は昨日同様にハジロコチドリを探しましたが残念ながら見つけることはできず、ただコチドリ、タカビシギ、タシギといったメンバーは滞在中で、オジロトウネンの姿もあったためじっくりと時間をかけて観察しました。オジロトウネンは最近では越冬例が増えていることから見る機会は増えましたが、夏羽個体をじっくり観察する機会は稀なため嬉しい出会いでした。その後は一旦各自昼食とし、午後からは前日同様に利根川沿いに走りながら付近の水田で観察してみることにしました。ここでは毎年チュウシャクシギが見られていますが、この日はある限られたエリアに20個体ほどの群れが見られたため、まずはバス車内から観察し、その後はバスを降りて望遠鏡を使って観察しました。特徴である長く曲がった嘴もしっかり見ることができ、中には水浴びをはじめる個体もいました。また付近ではキアシシギ、キョウジョシギの姿もありました。この日はやや時間が押していたことから急いで戻り、その後の時間は再度ムナグロの群れやハジロコチドリ探しに使うことにしました。ムナグロの群れがいた辺りを見ていると遠くにセイタカシギの姿があったため周辺を見てみるとシギ類らしい鳥の姿があったため近づいてみると、僅かに残った湿地状の場所に数羽のタカブシギと一緒にいるタシギ、オオハシシギ、コアオアシシギの姿があり、しばらくの間観察することができました。特にオオハシシギは赤みが増した夏羽が美しく、コアオアシシギも夏羽に換羽した美しい個体でした。思わぬ探鳥だったため時間がさらに押してきましたが最後にハジロコチドリを探しに行くことにしました。ひとまず可能性のありそうな場所を丹念に見てまわりましたが残念ながらこの日は出会うことができず、最後は再びオジロトウネンの姿を観察して終了しました。

午前中はやや風があり肌寒さがありましたが、午後からは晴れ間が見えた1日でした。前日同様にムナグロ、チュウシャクシギ、ウズラシギ、タシギ、オジロトウネンの姿はありましたが、ハジロコチドリ、メダイチドリ、トウネンに出会うことができませんでした。ただ、エリマキシギ、オオハシシギ、コアオアシシギといった顔ぶれが加わり、ムナグロの個体数も増えている印象でした。シギチドリたちはこれから繁殖地に向かうため早々に見られなくなりますが、また秋に見るタイミングが訪れますので今度は秋のシギチドリ類観察にお出かけください。この度はお疲れ様でした。

石田光史

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