【ツアー報告】東シナ海第二の秘島・甑島(こしきしま) 2017年4月23日~26日
(写真:キガシラセキレイ 撮影:高木信様)
4月23日、羽田空港発、伊丹空港発、鹿児島空港発のみなさまと鹿児島空港で合流し、専用バスで港へ行く。15:10「高速船 甑島」は無事出港。このフェリーは甑島商船株式会社のフェリーであり、総トン数199トン、定員200人、九州商船といちき串木野市及び薩摩川内市が出資する第三セクターである。
高速船だがべた凪なのでデッキでオオミズナギドリやカツオドリを見ながら16:20に無事着岸。下甑島は鹿児島県いちき串木野市の沖合約45km、東シナ海の甑島列島南部にあり、鹿児島県薩摩川内市に属し、面積66.1k㎡(山手線の内側と同じ)、人口約2,780人である。急いでホテルに荷物を置いて周辺を歩き、オオルリ、カラスバト、シベリアアオジなどを観察する。ツグミ類がたくさん入ったようで赤ハラ・白ハラ・黒ツグミが同じ耕作地にいてみなさんで観察、撮影する。下甑島での宿泊は東シナ海を展望する露天風呂と甑島近海で獲れた新鮮な魚介類をふんだんに使った料理が素晴らしいのである。
4月24日、朝、05:40。ホテルの周りで鳥を見る。林道を歩くとカラスバトがとまっている。あちこちでカラスバトやヤブサメが囀る。昨日と同じ場所にシベリアアオジがいて、みなさんでじっくりと観察、撮影する。朝食後、現地ガイドと合流。彼は毎日、仕事の合間に鳥をチェックしてくれているのでリアルタイムの情報がどんどん入るので非常に助かる。早速、オウチュウがいるというので現地に向かう。ここは耕作地が広がっているのでいろんな鳥が入ってくる場所である。ツバメチドリが何十羽といるが、まずはオウチュウをみなさんでじっくりと観察、撮影する。そんな中、ズグロチャキンチョウを見たお客様がいたのでみなさんで粘ることにする。シマアオジ、ノジコ、アトリ、シロハラホオジロなどが出てくるが残念ながらズグロチャキンチョウは見られなかった。昼食後、イヌビワにコムクドリの群れがいて、その中にギンムクドリも混じる。午後は牧場で鳥見をした後、再び、農耕地が広がるポイントに向かい、数名に分かれてそれぞれ見たい鳥を探す。ムネアカタヒバリが数羽いて、その中に胸から上がレンガ色の鮮やかな色彩の個体がいる。その後、キガシラセキレイを発見する。急いでみなさんを呼ぶが、なぜかアカハラとイソヒヨドリにいじめられて飛んでしまい、全員で見ることが出来なかった。その後、タヒバリ、ノビタキ、ホオアカ、コホオアカ、アカガシラサギなどを観察して探鳥を終了する。
4月25日、朝、5:45。ホテルの周りを歩くが鳥が少ない。朝食後、前日に鳥が多かった場所に行くが鳥が抜けてしまったようで少ない。アカガシラサギ、ツバメチドリ、コホオアカ、ホオアカ、ムネアカタヒバリなどをみなさんでじっくりと観察、撮影する。11:00別の場所に行ってみることにする。断崖で繁殖しているミサゴの巣では巣内で雌が抱卵し、雄が手ぶらで巣に戻るが雌に追い返される決定的瞬間をみなさんでじっくりと観察、撮影する。その後は可能性のありそうな場所をまわるがすでに渡ってしまったようで鳥がほとんどいない。見晴らしのいい公園で昼食。アマツバメが十数羽やハヤブサ、ノスリ、サシバが飛ぶ。再び、農耕地に向かい数名に分かれて見たい鳥を探す。オオヨシキリやセンダイムシクイが河原の竹やぶで鳴き、ツバメとコシアカツバメが数十羽飛びまわる。シマアオジもノジコも残っていて数名が観察、撮影することができた。ムネアカタヒバリ数羽にコマミジロタヒバリがいる。すると現地ガイドさんから「ズグロチャキンチョウを発見!」の電話が入る。メス個体であるがじっと止まっていたため、ばらばらになっているみなさんを集めて観察、撮影する。2名のお客様が見つからずに焦って走りまわるが、最後は何とか全員で見ることが出来たのである。
4月26日、朝、05:45、小雨の中を歩くが鳥がますます少ない。朝食後、昨日、鳥の多かった場所に向かう。昨夜からの風雨で何かいい鳥が入っていないかと期待したが、抜けてしまったようで鳥影が薄い。雨の中を専用バスの中からの観察、撮影となる。アカガシラサギの綺麗な夏羽が餌を採っていてまるで警戒しないのでみなさんでじっくりと堪能する。海岸へいくとセグロカモメが20羽程いて、その中に足の黄色の個体がいるのでキアシセグロだ!ホイグリンだ!と盛り上がって島内での観察終了。
14:35 「フェリー ニューこしき」総トン数940トン、定員350人は出港。雨が降っているが元気な方々と屋根付きの後方デッキで観察する。オオミズナギドリやカツオドリが飛び、カンムリウミスズメも合計80羽程観察し、16:15に到着。専用バスで空港へと向かったのである。正味3日間で70種程が観察された甑島は、まだまだ楽しめそうな島で今後がさらに楽しみになりました。みなさま、お疲れ様でした。
宮島 仁