【ツアー報告】大洗の海鳥と涸沼の猛禽類(追加設定) 2017年2月4日

(写真:オオワシ 撮影:丸山美鶴様)

私の地元である茨城県内の探鳥地2か所を巡る冬の定番日帰りバスツアーです。涸沼の冬の風物詩ともなっているオオワシが今期も125日に飛来したとのことで現地は賑わっているようでした。ツアーではこのオオワシの観察ポイントになっている場所を訪れるほか、涸沼の北部、さらには僅かな距離にある大洗海岸を巡ります。日帰りながらさまざまな環境を巡ることから観察種が毎回多く、探しがいのある探鳥地と言えるでしょう。

4日、天気予報は晴れマーク一色で前日までの風も収まり穏やかな1日になるとのことでした。早朝の東京駅前は予報を裏付けるように見事な青空が広がっていましたが、やや肌寒く感じました。バスは予定通り08:00に出発、途中休憩に寄ったサービスエリアで観察機材準備をしていただき、探鳥ポイントに向かいました。まずは涸沼西端にある干拓地でタゲリ、ホオジロ、ツグミ、アオジなどを観察しましたが、狙っていた猛禽類は少なく、ノスリを見るに留まりました。その後はオオワシ観察のポイントに向かい、堤防上から周囲を見てみました。涸沼の湖面には今年、非常に多いと話題のハジロカイツブリの大群が一斉に潜水と浮上を繰り返し、少ないながらもミミカイツブリの姿があり、ほかにもカンムリカイツブリ、スズガモ、キンクロハジロ、カルガモなどの姿もありました。するといきなりオオワシが登場して優雅に舞い始めました。この日は非常に活発な動きを見せ、一旦上昇したかと思うといきなり低く出現して魚を掬い取り、一旦消えましたがその後も周囲を旋回飛翔してくれました。この日はギャラリーが多かったことからみなさん喜ばれていました。その後は大洗海岸にある駐車場まで移動して各自昼食としました。昼食中にも海を眺めてみましたが、今年はアビ類の姿が多く、昼食後に観察してみると、複数のアビが浮いていて、ウミスズメ、クロサギの姿もありました。午後からはさらに北まで移動して戻りながらいくつかのポイントで探鳥しました。最初に立ち寄った場所では波打ち際で採食するシノリガモ、ヒメウが見られ、遠くの海面に群れるカモメ類がいたことから望遠鏡で見てみると、アビ類やカンムリカイツブリが群れて採食していました。岩礁がある海岸ではカルガモの群れが採食し、海藻が付着しているコンクリートブロックにはヒドリガモ、ヨシガモが群れ、必死に採食していました。またシノリガモの休憩場になっているようで羽繕いをする個体が複数見られました。またウミアイサがスノーケリングするかのように器用に魚を追っていました。そして小さな漁港内では1羽のアカエリカイツブリが浮いていて特徴である黄色い嘴をじっくり観察することができました。その後も時間いっぱい巡り、河口ではウミネコ、カモメ、最後に立ち寄った漁港では必死に採食している20羽ほどのハマシギの群れ、アカエリカイツブリ、ウミアイサ、ハジロカイツブリなどを観察し、夕方に合わせて再び涸沼の北部に向かいました。この周辺は夕方になるとさまざまな猛禽類が見られる場所ですが、この日はカモ類を狙ってやってきていると思われるオオタカの若い個体とチュウヒを見るに留まりました。ただ湖面にはかなりの数のカモ類が見られました。ほとんどがスズガモとカルガモでしたが、その中にはミコアイサの姿があり、ほかにもカイツブリ、カンムリカイツブリなども見られました。この日は好天だったことから美しい夕陽を見ながら探鳥を終了しました。

今回は夕方の肌寒さはあったものの、穏やかな日和の中での観察となりました。猛禽類の出があまり良くありませんでしたが、涸沼の冬の風物詩となっているオオワシの姿をじっくり観察できたことは幸運でした。また大洗海岸でも代表種のシノリガモ、ウミアイサ、ヨシガモが観察でき、アビ、ウミスズメ、クロサギ、アカエリカイツブリなども出現してくれ合計64種の鳥たちに出会うことができました。ご参加いただきました皆様、この度はお疲れ様でした。

石田光史

アカエリカイツブリ 撮影:日下部英昭様

 

オオワシ 撮影:日下部英昭様

 

シノリガモ 撮影:日下部英昭様

関連記事

ページ上部へ戻る