【ツアー報告】冬の茨城 風土記の丘公園と霞ケ浦 2017年1月11日
(写真:ジョウビタキ 撮影:見崎智子様)
昨年、鳥の観察会1周年記念日帰りバスツアーとして大好評をいただいた日帰りバスツアーと同様のコースで探鳥する企画。今回はガッチリ鳥を見ていただく通常ツアーのため中型バスでの催行です。冬は比較的身近な場所でもさまざまな鳥たちに出会うことができることから、このツアーでは一日で冬の小鳥類、カモ類、カイツブリ類、猛禽類を全て観察することを目標としました。当日はやや風がありましたが見事なまでの冬晴れとなり順調にプログラムをこなすことができました。
11日、予定通り08:00に東京駅前を出発し、途中の休憩を挟んでも最初の探鳥地まで2時間ほどで到着することができました。到着後は各自観察機材の準備を行ってから歩き始めました。まずはシロハラが地面から飛び立って木に止まってくれたためその姿を望遠鏡を使って観察しました。見ているとまた地面に降りて採食し始めたことから再び観察することができました。周辺の畑地では杭に止まるジョウビタキのオス個体がいたため観察していると、メス個体も現れてくれ一緒にオス、メスを観察することができました。アシ原のある湿地帯まで行くとアカハラが飛び、エナガ、シジュウカラ、メジロが採食していて、ふいに飛び立ったコガモの群れがしばらく飛翔していました。少し歩いた芝生広場ではアオジとカシラダカが一緒に地上採食していたことからその違いを比較しながら見ることができたほか、ツグミ、シロハラの姿もあり、愛想の良いカワセミがその姿をじっくり見せてくれました。森に入ると針葉樹に群れるマヒワの姿があり、地上をノコノコ歩きながら採食するビンズイも見られました。一旦駐車場に戻って各自昼食としましたが、その間にもルリビタキ、コゲラの姿を見られたお客様もいらっしゃいました。次に訪れた探鳥地では水辺の鳥を観察しました。湖畔に出るとカンムリカイツブリが間近に見られ、多数のマガモ、カルガモ、ヒドリガモ、オカヨシガモ、コガモ、オオバンの中にミコアイサのオス、メス、2羽のヨシガモの姿がありました。また小さな漁港内にミミカイツブリ、ハジロカイツブリの姿もあり、ミサゴ、ノスリが見事な飛翔を見せてくれました。そして最後は猛禽類が多数やってくるアシ原に向かいましたが、やや時間があったことから畑地の中をバスで走りながらタゲリを探してみると、間近に水浴びをする個体を見つけることができ、バス車内からじっくり観察することができました。その後はアシ原が見渡せる場所から観察を開始しました。日中はやや風があったもののこの時間にはすっかり風が止んでしまったことから塒にやってきたチュウヒたちはあまり飛翔せず次々に低木に止まり、最大で同時に11羽を数えました。また電柱に止まるハヤブサ、捕らえた魚を食べるミサゴが見られ、夕陽が傾き始めた頃には数羽のコチョウゲンボウが乱舞しはじめ、美しいオス個体の姿をじっくり観察する機会に恵まれました。そして17:00頃にはまずハイイロチュウヒのメスが飛び始め、それを追うように現れた美しいハイイロチュウヒのオス個体の飛翔を見てツアーを終了しました。無風だったことからこの時間でもそれほど寒さを感じることはありませんでした。
2017年最初のツアーは見事な冬晴れの中でほぼ目的の種を観察することができました。特別珍しい種に期待できるわけではないですが、基本となる種をしっかり見ることは重要で、しかも冬の小鳥類、カモ類、カイツブリ類、猛禽類を一日で全て観察できたことは成果でした。またこれらさまざまな野鳥たちの姿を一日で見られる環境が揃っている茨城県の自然の豊かさには驚かされました。さていよいよ2017年がスタートしました。今後とも「鳥の観察会」のバードウォッチングツアーをよろしくお願いいたします。
石田光史