【ツアー報告】渡良瀬遊水地と城沼・多々良沼(再追加設定) 2016年12月27日
(写真:オオタカ)
12月恒例となった群馬県内を巡る日帰りバスツアー。今回は再追加設定となりこの日で3回目となりました。またそれと同時に2016年の国内バードウォッチングツアーを締めくくるツアーとなりました。基本的には前回、前々回と同じコースを巡りますが、お天気は毎回同じとはならずこの日は早々に雨予報が出ており、強風も加わった大荒れ予報が出ていました。ただ、直前の天気予報では雨は午前中の数時間のみに変わり、早朝の東京駅前は薄日が射していました。
27日、この日もほぼ予定通り08:00に東京駅前を出発し、全く渋滞がなかったことから途中休憩を挟んでも2時間ほどで最初の探鳥地に到着しました。ただ、たまたま黒い雲があったせいか到着とほぼ同時に小雨が降り始めました。まずは観察機材の準備と共に雨具や傘の準備をしていただき観察を開始しました。駐車場近くの池ではコサギ、ダイサギ、アオサギが揃って採食し、湖面を見渡すとマガモ、ヒドリガモ、カルガモ、オナガガモ、オオバンなどの姿があり、この日はさらに数を増したカンムリカイツブリの姿が目立ち、ミコアイサも10羽ほどが一箇所にまとまって浮いていました。場所を変えるとまずはコハクチョウの姿があり、観察しているとタイミング良くオオハクチョウの群が飛んできました。周囲を探してみるとこの日はやや離れた場所でツルシギ、ハマシギ、そしてこの日はシロチドリの姿もあり望遠鏡を使って観察しました。戻り際には雨はほぼ上がり、それにあわせるようにジョウビタキ、アオジ、モズ、カワセミが現れ、最後は枯れ木に止まるオオタカの若鳥も見られました。その後は先週からオジロビタキが見られている場所に向かいました。ただこの日は全く声が聞こえなかったためまずはホシハジロ、ミコアイサ、オナガガモなどを観察しました。すると先週とは全く違う場所で採食しているオジロビタキの姿を見つけることができ、しばらくの間せわしなく動きまわる姿をじっくりと観察し、最後は間近にその姿を楽しむこともできました。やや時間がオーバーしましたが、その後は予定通りミヤマガラスを探しに行きました。今年はミヤマガラスの群れを見つけることが容易であっさりと百羽ほどの群れを見つけることができましたが、やはりコクマルガラスの姿を見つけることはできませんでした。この日は時間がオーバーしてしまっていたことから、渡良瀬遊水地に行く手前の公園で各自昼食とし、昼食後は付近でホオジロ、カシラダカ、チョウゲンボウ、ノスリなどを観察してから渡良瀬遊水地に向かいました。到着後は園内を歩いて探鳥しましたが、この頃から予想外に天候が悪くなってきてしまいました。園内では今年の冬鳥の状況を象徴するようにツグミが歩き回り、アキニレの木にはシメやカワラヒワの姿がありました。またこの日も30羽ほどのアトリの群が飛びまわり、時より木に止まることからその姿を望遠鏡を使ってじっくりと観察しました。またじっくりととはいきませんでしたがベニマシコの姿もありました。その後は一旦トイレ休憩をとり15:50に猛禽類が塒入りしてくるポイントに移動しました。当地は日中から夕方にかけて強風が吹荒れることが多く、天気予報でも強風が吹くとのことでしたが、当地としては信じられないくらいの無風日に当たったため厳しい寒さを感じることはありませんでした。この日は驚いたことにいきなりハイイロチュウヒのメスが低く旋回しはじめ、それに突っ込むようにコチョウゲンボウのメスが巧みな威嚇飛翔を見せてくれました。さらにはここまで当地で観察できていなかった美しいハイイロチュウヒのオスが現れました。見ていると塒は別の場所にあるらしく、我々の前をゆっくりと通過するように飛んでいくのみでしたが幸運な出会いでした。またチュウヒは思ったほどの個体数を数えることはできませんでしたが、数個体がゆらゆらと飛びながら塒付近までやってきて、中には低木に止まってその姿を見せてくれる個体もいました。
今年の渡良瀬遊水地ツアーは結局、コクマルガラス、ヨシガモ、トモエガモといった種に出会うことができませんでしたが、今回もオジロビタキとの出会いがあり、シロチドリ、ツルシギ、ハマシギなどのシギチドリ類、そしてようやくハイイロチュウヒのオス個体に出会うことができ、合計63種を観察することができました。2016年の国内バードウォッチングツアーはこのツアーで終了となりました。ご参加いただきましたみなさま、本当にありがとうございました。来年も引き続きよろしくお願いいたします。
石田光史